平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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14 ③複数の商工会・商工会議所が共同で経営発達支援計画を推進する場合のリーダー機能の不在 経営発達支援計画を複数の商工会・商工会議所で申請し、計画を推進している場合、参画している商工会・商工会議所によっては、地域や事業者の特性が異なるため、支援活動の方向性も自ずと異なり、一枚岩で計画を推進することが難しい。また、経営発達支援事業の各事業を推進する上で、組織体制が整っておらず、どの商工会・商工会議所がリーダーとなるか不明瞭なまま進んでしまうことがある。 ④職員の経験を踏まえた業務体制が構築できていない 経営指導員は1年生も20年生も同じ業務をしており、効果的な支援を図っていくためには、職員間で、業務分担や経験年数に合わせたスキルアップを図っていかないと、経営指導員のモチベーションも高まらない上、支援力の向上にもつながらない。 ⑤組織内で情報共有ができていない 多忙な日々の業務に追われて、経営指導員間や組織内での情報共有が十分に図られておらず、外部研修を受けてもその内容が共有できていなかったり、施策や補助金に関する情報収集も経営指導員が各自で行ったりしている。 (3)小規模事業者の経営発達支援に関する課題 ①需要開拓支援の充実が今後の課題 一連の経営発達支援事業の推進において、事業計画策定支援までは取組みが進んでいるが、需要開拓支援までは対応できておらず、需要開拓支援の充実が今後の課題となっている。 ②持続化補助金活用後の継続的支援や非採択者への支援が課題 持続化補助金が事業計画策定のきっかけとなり、支援先を抽出して個社支援を実施していたが、積極的な事業者による持続化補助金の利用が進み、今後、さらなる利用事業者を見出していくことが困難となっている。また、持続化補助金を利用した事業者における次の支援展開を組み立てていくことや持続化補助金の申請に向けて事業者と取り組んでも、採択されなかった場合の事業者支援の方法が見い出せない状態に陥っている。 ③十分な事業承継支援が行えていない 「事業承継」が事業者の重要な経営課題となっているが、事業承継に関して十分な支援が行えていない。事業者が事業承継について相談する際には、税理士に相談することが多い傾向がある。これには小規模な商工会・商工会議所では、事業者と職員との人間関係が密接で、家族関係などプライバシーに関わることも含まれる事業承継については、相談しづらいといったことも影響している。事業承継の課題も様々で、承継者がいる場合といない場合、事業売却を望む場合と、それぞれに対応策が異なり、複数の専門家の関与が必要となる場合もあるので、商工会・商工会議所で全て支援することは難しいテーマとして認識されている。今後、多くの商工会・商工会議所で事業承継に関わる支援方法を検討・充実していく段階であり、その方策を追求していくことが今日的課題となっている。

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