平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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13 第2章 支援力向上阻害要因・支援活動における課題 ヒアリング調査を通じて、高業績を生み出す取組みが聞かれる一方で、支援力向上を阻害している要因や、今後の支援活動を推進していく上での課題も聞かれた。本章では商工会・商工会議所の支援力を向上するための課題を整理した。 ヒアリング調査で聞き取られた課題としては、大きく、「支援活動の方向性」「組織体制」「小規模事業者の経営発達に関する課題」の3点が挙がった。中でも、「組織体制」に関する点が多く、支援力に大きく影響していることがうかがえる。 (1)支援活動の方向性に関する課題 ①商工会・商工会議所のトップの方針が個社支援に向いていない 商工会・商工会議所のトップの方針が、地域振興に重きを置いているなど、地域の祭やイベント開催等の地域活動に関わる業務が主となり、個社支援の時間が確保できないため、事業者支援実績が上がらない。 ②小規模事業者の商工会・商工会議所に対する認識が固定化 管内の小規模事業者からの相談は、税務相談や融資等の経営改善普及事業に関わる内容が多く、販路開拓や事業拡大といった相談案件は少ない。小規模事業者は商工会・商工会議所に対して旧来の経営改善支援といった固定的イメージを持っており、事業計画の策定等の案内をしても関心を持ってもらえないことも一因となっている。 ③商工会・商工会議所のトップと職員のコミュニケーションが十分に取れておらず、組織が一丸となった取組みができない 商工会・商工会議所のトップと職員とのコミュニケーションが十分に取れていないと、職員も目指す方向性への認識が弱く、職員が一丸となって取り組む関係が構築できていない。 (2)組織体制に関する課題 ①ベテラン職員の退職による支援力の低下 経営指導員のベテラン職員が退職を迎え、職員の大半が入れ替わったため、一時的に支援力が低下している商工会・商工会議所もある。団塊世代の退職により、職員構成が変わった団体は少なくないが、職員数が少ない商工会・商工会議所では、計画的人材採用は難しく、職員の年齢構成に偏りが生じ支援力に影響している可能性も考えられる。 ②人事異動により事業者との関係性の維持が困難 商工会では、職員が都道府県の商工会連合会に在籍し管内での人事異動があるため、引継ぎがうまくできないことや、経営指導員に地域情報が蓄積されないこと、事業者と築き上げた関係性が途切れてしまうこと、長期的事業に取り組みづらいこと等の課題も生じている。

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