平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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104 また、経営者の高齢化が特に進んでいる小規模事業者にとって事業承継は重要課題となっており、事業承継支援は、個社を支援するとともに、地域の事業を次世代に引き継ぎ、地域経済の活性化につなげるために重要となっている。 具体的な取組みをみると、創業支援では、創業セミナーの開催、事業計画の作成支援、インキュベーション施設の整備等が取り組まれている。創業支援に合わせて創業後のフォローアップを継続的に取り組み、創業から事業発展へと支援を続けていくことが重要である。 事業承継支援では、事業承継セミナーの開催や相談機能の充実、事業承継計画策定支援等が取り組まれている。事業承継については、事業承継支援の領域が広いこと等から支援の難しさもあるが、外部の専門家や民間企業、支援機関等と連携することで支援力を高めることが有効である。 創業及び事業承継への支援のように、小規模事業者を取り巻く社会環境や地域産業の課題を的確に捉えて、その課題解決に向けた支援に取り組んでいくことが、重要視されている。 3)「個社支援」につながる「面的支援」の推進 地域産業の振興に向けて、主体的に地域の関係者と連携しながら「面的支援」を行っているが、地域振興としてのイベント事業を通じて関係性ができた小規模事業者を支援先候補とするなど、面的支援を個社支援の入口として活用している。 また、地域振興等の取組みを通じて小規模事業者のビジネスチャンスを創出するなど、面的支援の成果を個社支援につなげている。特に、商品化が期待できる地域資源に恵まれているが、人口規模が小さく地域の購買力が限定的な地域では、個社支援による販売促進支援は限界がある。そのため、面的支援として、複数の事業者が参画し、地域ブランドを構築して情報発信を行い、地域外への販路を開拓していく方が高い効果を期待できる。また、製造事業者が多い地域の商工会・商工会議所ではその集積メリットを活かして、小規模事業者の交流会等を通じた企業連携の創出や海外販路開拓事業等により、新たな連携や事業の創出につなげている。 地域振興事業に取り組むことにより、個社支援の時間が確保できないといった課題については、地域振興事業の立ち上げ期には支援者として参画し、事業が軌道に乗ってくると、民間の推進体へ運営を移行していくことにより、地域振興事業にかける時間を短縮し、個社支援の時間を確保することができる。 このように、「個社支援」と「面的支援」を対立するものとしてではなく、効果的に「面的支援」の成果を「個社支援」に活用することで支援力を高めている。 4)主な関連施策の活用 ①持続化補助金の活用支援 持続化補助金は、小規模事業者が事業計画を策定するきっかけとなっており、事業計画の策定を通じて、自らの事業や経営を見直して棚卸しができるなど、副次的効果も創出されている。さらに、持続化補助金の活用成果が出ると、小規模事業者も次なる事業展開への関心が高まり、継続的に事業発展に向けた取組み・支援へとつなげることができる。伴走型の個社支援を計画的・意識的に取り組んでいる商工会・商工会議所では、持続化補助金を入り口に、ものづくり補助金の活用につなげるなど、事業の発展段階に沿った支援策の活用を促している。このよう

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