平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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103 が来所する展示会・商談会への出展機会や、広域から集客ができる道の駅等で地域産品を販売する場の提供等が取り組まれている。 展示会や商談会では、支援人材が小規模事業者の商談に立ち会い、小規模事業者とともに商品ニーズの把握に努め、商品価値を高めるための改良やバイヤーなどへのフォローアップ等に対する助言をしている。支援人材が立ち会うことで、現場を体験でき、支援人材の支援スキルの向上にもつながっている。 人口規模が小さく地域の購買力に限りがある地域では、地域外への販路開拓が重要となる。だが、その反面、個々の事業者が地域外の販路開拓に向けて情報発信を行っても限界があるため、複数の事業者が参画した地域ブランドの構築により情報発信力を高めて、販路開拓に取り組むことで成果を挙げている事例もあった。地域からの産品として打ち出すことにより、事業者同士のベクトルが合わせられるメリットも生じるとともに、成果が創出されることにより、新たに参画する事業者も増えてさらに情報発信力が高まる。 ④効果的な巡回訪問 巡回の実施計画の作成や実施体制を構築することで、効果的かつ効率的な巡回を実施している。また、巡回時に施策情報等に加えて小規模事業者が自ら収集することが困難な市場動向等のデータ情報を提供している。 ⑤小規模事業者情報のデータ化 団体独自のシステムや単会で作成したファイルで事業者情報やこれまでの支援情報を管理し、事業者への提供に役立てている。また、小規模事業者等の情報は、会議や日頃のコミュニケーションを通じた情報交換や、組織内グループウェア等のITを活用して情報共有を図っている。 ⑥支援方法等の見える化 暗黙知となっていた経営指導員等の小規模事業者に対する支援方法の可視化を行うことにより、現状や課題が見えやすくなり、支援力や業務の効率性の向上が図れる。 例えば、事例で取り上げた「小規模事業者の成長ステージの見える化」(資料2-62頁)は、小規模事業者が自らの立ち位置を確認するとともに、これからの目指す方向性や取り組むべきこと等が検討できる。また、支援者にとっても支援先の小規模事業者を客観的に確認することができ、支援に役立てることができる。「支援マニュアルの作成」は、業務の効率化を図るとともに支援人材の支援歴の長さに関わらず、一定の支援力が担保できるメリットがある。 2)小規模事業者を取り巻く社会環境や地域産業の課題を踏まえた支援展開 (創業支援・事業承継支援) わが国では人口減少・少子高齢化といった社会潮流を背景に、事業所数の減少や経営者の高齢化、人材不足の深刻化といった構造的な課題が進展する中、多くの商工会・商工会議所では、以下の理由等から創業支援及び事業承継支援が取り組まれている。 管内の事業者数や会員事業者数が減少している商工会・商工会議所にとって、新たな事業者の増加を図り、地域の事業者や地域経済の活力を生み出す創業支援は重要な施策であり、さらに創業支援は引き続き伴走型支援につなげられる点からも有効な支援策となっている。

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