平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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101 ④支援人材の能力向上・育成への取組み 日常業務に追われる中でも、積極的かつ効果的な能力開発を行うため、管理職、職員ともに能力開発の重要性と必要性を認識し、能力開発の時間が確保できるような環境づくりが重要である。そのためには、組織として能力開発の方針を明確にし、各人の特性に合った人材開発に取り組むことが重要であり、それが組織全体の支援力向上につながっていく。 支援人材のスキルマップは、支援スキルの客観的評価や人材育成計画の作成、人材の配置・業務分担等の検討に活用できるといった効果が見出されていた。また、各商工会・商工会議所で職員の研修計画の作成や研修費の補助、職員の能力開発へのモチベーションを高めるための資格手当等のインセンティブの付与等が行われていた。 また、経営指導員が経験値の高いベテラン職員や専門家に同行し、支援現場で支援ノウハウを学ぶ等、支援能力の向上につなげるOJTによるものや内部の勉強会・研修会、外部の研修会・視察等のOFF-JTを通じた多様な取組みが実施されていた。 ⑤複数の団体をサポートする中間機能(組織・人材)の整備・配置 経営指導員等の支援人材が少ない商工会・商工会議所では、都道府県の商工会連合会や商工会議所連合会が、複数の団体をサポートする中間機能(組織・人材)を整備・配置している。中には、経営指導員の人数を増やすことなく、単会の経営指導員の人数を減らして中間機能に対応する人材を確保している事例もある。 中間機能には、広域専門指導員が配置されているところでは、単会の支援人材は広域専門指導員と連携して、専門的知見から事業者アドバイスができるなど、支援内容の質を高めている。 中間機能を担う組織・人材には、担当する商工会・商工会議所の事業者情報が収集できることや、単会の支援人材間の情報交換等ができることにより、広域的な事業者支援が可能となる。 3)自治体や関係機関等外部組織との連携 商工会・商工会議所が保有する限られた経営資源で、一連の小規模事業者支援を行うためには、自治体等の外部組織と積極的に連携を取り、支援体制及び支援内容の充実を図っていくことが重要である。以下のような、支援力の向上につながる取組みが行われている。 ①カウンターパートとしての自治体との連携 以前から自治体との関係が構築されている商工会・商工会議所がある一方、経営発達支援計画に認定された事で、自治体との関係が深まった商工会・商工会議所も見られた。自治体とは、地域の産業振興の方針・方向性を共有し、カウンターパートとして地域の産業振興を推進していくことが重要である。自治体と産業振興施策の立案・検討を行い、商工会・商工会議所における地域の事業者支援に関わる事業を予算化してもらうことで、団体の事業も推進しやすくなる。また、仮説1(18~22頁)で説明したとおり、商工会・商工会議所のビジョンや計画等により支援活動の方向性を明確にすることで、相手の納得を得て方針にそぐわない事業等への協力・参加を断りやすくなった商工会・商工会議所もあった。

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