平成30年度 商工会・商工会議所の小規模事業者支援力向上要因検証調査 調査報告書
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100 (1)組織の運営・体制に関する支援力向上要因 1)支援活動に対する明確な方針・方向性の共有 支援活動の方向性を記した独自のビジョン・計画の策定、組織トップの運営方針、支援活動に向けた行動目標、支援活動に当たる際の標語等の策定により、支援活動に対する基本的な考え方や方向性、支援者としての役割を明確にして共有できている組織では、主に下記のa.~f.の6つの点が実現でき、支援力の向上につながることが明らかとなった。 a. 小規模事業者の商工会・商工会議所に対する理解を高め、商工会・商工会議所の活用につながる。 b. 中長期の支援活動のあり方を踏まえて目先の成果に囚われない支援が実施できる。 c. 組織内の一体感を高め、組織全体の推進力を生み出すことができる。 d. 業務の重点や優先順位を踏まえ、業務を計画的に遂行できる。 e. 支援活動の方向性に基づいた事業評価ができ、定量化できない支援効果についても一定の判断が可能となる。 f. 自治体や関係機関から商工会・商工会議所の方針・方向性への理解が深まり、自治体や関係機関との連携を図りやすくなる。 2)組織マネジメントの卓越性 上記の明確な方針・方向性のもとに、支援活動を推進していく上で組織のマネジメント面では、以下の点が支援力向上につながっている。 ①トップの参画 トップのリーダーシップと支援活動への参画が、職員のやる気を醸成し、組織が一丸となった支援活動につながっている。 ②小規模事業者支援の推進体制の見直し 経営発達支援計画の認定を機に、地域の経済動向調査から新たな需要開拓事業まで一連の支援を提供する体制づくりが改めて見直され、組織改革等により、適切な体制が構築されている。職員が多く、複数の部署がある商工会・商工会議所では、組織を横断した経営発達支援事業を推進する班やチーム等の編成や、特命担当の配置等により体制を整備している。職員数が少ない商工会・商工会議所では、チームの再編や担当業務の見直し等により効率的な推進体制づくりを図っている。小規模事業者支援を推進するためには、組織体制を改めて見直し、柔軟な体制づくりに取り組むことが重要であり、支援力向上につながっている。 ③職員間での密なる情報共有 定例の会議やミーティング、日頃のコミュニケーション、組織内の勉強会や研修会、多様な情報交換の場を設け、職員間の情報共有を図っている。これらが支援者の情報力を高め、支援ノウハウの向上を図ると同時に、職員間の協力を促し、連帯感を高めている。その結果、組織内の雰囲気も良くなり、事業者にとっても相談しやすい環境づくりにつながっている。

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