平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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47商品もアピールしようと、美術館をリストに入れた。しかし、日本からのアポイント取得は難航。メールの返事がない状態が1か月ほど続いた。最終的には、中小機構のカリフォルニア在住アドバイザーの力を借りて、何とかすべてのスケジュールを決めることができた。現地調査の準備と同時に、海外向けのWEBサイト作りも進めていった。営業部長の和田雅樹さんが、中小機構のセミナーで出会ったアドバイザーに助言をもらいながら英語サイトを作成。こちらは、子どもによる転倒防止をメインに、商品を紹介する内容にした。将来的にはアメリカのECモールに出店し、子育てファミリーへの普及を考えている。準備したのは、WEBサイトだけではない。現地で商品をプレゼンするための本格的な商談資料も、これを機に英語で作成した。盛り込むべき情報、誤解を招きかねない表現など、日本国内で使う資料と海外で説明する為の資料はまったく事情が異なる。益倉アドバイザーと相談しながら作った資料は、パワーポイントで30ページに及んだ。さらに、訪問先によって内容に変化を持たせ、より興味を持ってもらえるように工夫。和田さんは、アメリカでのプレゼン用にモバイルプロジェクターを購入し、調査に向かう直前まで練習を重ねた。現地調査では、サンフランシスコ市の地震対策専門機関や、防災グッズを取り扱う同業他社を訪問。いずれも、耐震マットの性能には興味を持ってもらえた。しかし、アメリカには類似商品がないため、使い方を含めたプロモーションが必要なことが分かった。また、美術館では展示物固定の専門家と面談。バックヤードを見学し、どのように美術品が固定されているのか、実情を知ることができた。さらに、現地の弁護士事務所等を訪問。輸入品に対する化学物質の規制や、パッケージ表示方法などを確認した。物流会社も訪ね、通関の費用などコスト計算に欠かせない、具体的な情報を入手。現地のホームセンターで競合製品の価格を確認すると、原料からすべて日本製のプロセブン耐震マットより、安価なものが多かった。それらの情報を整理し、 アドバイザーと共に販売価格を細かくコスト計算。商談の際に重要な「値ごろ感」が分ったことは、大きな収穫だった。同時に、「耐震」のキーワードだけでは、競合製品に価格面で対抗困難という現実も見えてきた。「むやみに価格競争に入るのは、得策ではないと思いました。そこで、訴求の仕方を変えて、商品に付加価値が出せないかと考えました」。現地調査では新たな発見があった。カリフォルニアの富裕層には、ボートやキャンピングカーを所有している家庭が多い。耐震マットの粘着力を、乗り物内の固定に使うニーズは日本よりも大きいのではないか。また、意外と地震に対する意識が薄かったことから、一般家庭へは「子どもの怪我を防ぐ」というプロセブン株式会社アメリカならではの耐震マットの新たな使い道プロセブンの小玉さん(右)と和田さん(左)アメリカで「耐震」以外のニーズを発見

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