平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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38行っていたため、大きなダメージを受けずに済んだ。代表の髙田欣孝さんは、「中小機構の海外ビジネス戦略推進支援事業に申し込んだ当初は、中国の規制がここまで厳しくなるとは思っていませんでした」と振り返る。中国の影響を受け、周辺の国々も混乱中だ。今度はアジア諸国に廃プラスチックを輸出しようと、世界中からコンテナが港に殺到。あっという間にキャパオーバーになり、ASEAN各国も廃プラスチックの輸入規制を設ける事態となった。プラスチック事業から撤退する企業が相次ぐ中、髙田さんは、この事態を逆にチャンスととらえた。近年の経済成長とともに、ベトナムのプラスチック関連企業は急増している。廃プラスチックを購入し、国内でリサイクル加工したのち、再びプラスチック製品を作って販売するという流れだ。しかし、輸入規制の厳格化から、原料である廃プラスチックが入ってこなくなってしまった。いわば血液を止められた状態となり、現場は混乱しているに違いない。そこで、日本国内にあふれている廃プラスチックを、規制をクリアした状態に加工して、ベトナムへ輸出できないかと考えた。現在は加工を外注しているが、将来的には自社で加工できるよう、工場も建設中だ。そうすれば、行き場がなく捨てるしかない廃プラスチックを、今まで通りリサイクル原料として顧客から買い取ることができる。コスト面で顧客に迷惑をかけないためにも、やるしかない。他社が次々に撤退する中、髙田さんはあえて海外進出することを決めた。中小機構と一緒に、まず現状を整理し把握することから始めた。産業廃棄物業界は、移り変わりが激しい。20年以上業界に関わっている髙田さんも、どんどん変わる法律や世界情勢を常に追いかけている。ともすれば、状況を見失いがちになるため、改めて国内・海外の多方面から考え、立ち位置を明確にした。 次に、ベトナムで販売するプラスチック原料の候補を決めた。廃プラスチックといっても、ゴミをそのまま売るわけではない。種類や加工方法によって、多くの品目に分けられる。ベトナムでの高い需要を想定し、ロットを多く出せるものを中心に選んだ。また、商談をスムーズに進めるため、それぞれの価格を決め、ベトナム語の資料を作成した。 輸入規制についてもリサーチしたが、当時はまさに、中国ショックで大混乱の真っ最中。次々に新しいルールが作られるため、正確な情報はつかめなかった。それに、政府が作った輸入規制と、市場のニーズは別物だ。現場の生の声は、実際に行ってみないと分からない。現地の訪問先は、中小機構の星山アドバイザーとともに決めていった。星山アドバイザーは、ベトナムにルーツを持ち、自身もベトナム・日本間でビジネスを行っている。アドバイザーがピックアップした商談相手は、どれも求めて所在地代表者業種岡山県岡山市髙田 欣孝サービス業事業内容資本金売上高資源リサイクル10百万円514百万円従業員数URL23人http://www.daisei-ecology.co.jp/会社概要大手企業から良質な廃プラスチックを買い取っている現状を整理し企業の立ち位置を把握

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