平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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34神話の町として知られる、宮崎県高千穂町。乾しいたけの生産量の65%を占める大分、宮崎、熊本の中心に位置する産地だ。当社は、高千穂の本社工場に専務の杉本和英さんが、東京事務所に兄で代表の達則さんが常駐している。今回は山に囲まれた高千穂で、弟の和英さんに話を聞いた。「サーフィンが好きなので、以前は湘南でアパレルの営業をしていました。当時、たまたま仕入れていたオーストラリアのシープスキンブーツを展示会に出したら、ものすごく人が来たことを覚えています。ちょうど流行り始めだったんですよ。そんな感じで仕事は順調でしたが、東日本大震災から流れが変わりました」。その日、東京にいた和英さんは、混乱の中12時間かけて湘南まで帰ったという。震災をきっかけに、商品が以前のようには売れなくなった。世の中の変化を感じた和英さんは、地元の高千穂に戻り、家業を継いだ兄と共に働くことにした。当社では、農家から持ち込まれた乾しいたけを、すべて買い取っている。「売れないから」と断ることはしない。しかし、手軽なインスタント食品が好まれる現代、水に戻すひと手間がいる乾しいたけのニーズは減ってきていた。そこで、レシピを添付した商品をアマゾンで販売したところ、「干し椎茸部門」でトップに。米国アマゾンでも同様に一位になることができた。「海外にチャンスがある」と感じ、アメリカ進出を視野に、海外ビジネス戦略推進支援事業に申し込んだ。ニーズを確かめるため、まずは国内で海外向けの展示商談会に参加。国内の相手からは「インスタント食品の時代なのに、今さら売れるのか」と聞かれたりもした。しかし、海外の反応は違った。出展ブースには途切れずに興味を持つ人が訪れた。和英さんは、前職でシープスキンブーツに人が殺到したことを思い出した。「日本のスーパーで試食販売をすると、乾しいたけの食べ方を知らない人が多くて、よく質問されるんです。しかし海外では、世界のすみずみまで中国産の乾しいたけが行きわたっていて、使い方も知られていました。試食すると、味の違いもわかってくれました」。中でも引き合いが強かったのが香港だ。香港には、安価な中国産しいたけが多く流通している。しかし、価格よりも生産プロセスに強い興味を示すバイヤーと出会うことができた。無農薬で昔ながらの原木栽培を続けている高千穂郷産しいたけは、味の良さだけでなく、自然が循環するサスティナブルな商品としても売り出せる。「当初考えていたアメリカより、まずは欲しがってくれるところに売った方がいいんじゃないか、と思いました」。展示会の反応から、現地調査先を香港に変更した。渡航前に、輸出する際の法規制のリサーチや見積書の作成を、中小機構と米アマゾンで売り上げトップの実績自然に囲まれた、高千穂のしいたけ栽培地展示会で一番反応が良かったのが香港所在地代表者業種宮崎県西臼杵郡杉本 達則製造業事業内容資本金売上高乾しいたけ製造卸売30百万円420百万円従業員数URL25人https://shiitakejapan.com/会社概要

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