平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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31台湾ではまず、大手インポーターや小売店をまわり、日本酒販売の実態を聞いた。やはり、大吟醸酒はすでに多くの銘柄が進出していて、飽和状態であることが分かった。関税が40%かかることもあり、高価な大吟醸酒はギフト用に購入されることが多いという。日本酒に詳しくない人も買いに来るため、知名度の高いものが売れる傾向にあった。実際に百貨店に行ってみると、かなり古い製造年月日のものも置かれている。残念ながら、当社の目指す販売方法からは外れると判断した。また、純米酒「(ぎん)」を台湾料理と合わせる方向で考えていたが、台湾レストランでは食事中に酒を飲む習慣がないことが判明。現地の人は家族で台湾料理店へ行くため、飲むとしてもビール程度らしい。飛び込みでレストランを訪ねてみたが、やはり置いてあるのはビールや紹興酒で、日本酒の扱いはなかった。現地の実態を知り、当初の狙い通りには行かなそうに思えた。しかし一方で、台北の日本酒専門店では、壁一面に日本全国の酒が並んでいた。知識豊富なオーナーが、実際に試飲して気に入った酒を販売しており、日本でもあまり見ないような酒が置いてある。店内にはビストロが併設されていて、料理と一緒に日本酒が飲めるようになっていた。持参したいくつかの酒を試飲してもらうと、特に「(ぎん)」への反応が良く、すぐに合う料理を調理してくれた。「オーナーが日本酒の良さをしっかり理解していて、お客さんも日本酒好きな方が多い。こういう店に柴田の酒を置いてもらいたい、と思いました」。柴田さんにとって、理想的な販売先が見つかった。その他、もともと取引のあるインポーターが提案してくれた飲食店も、日本酒にこだわりのあるところだった。「柴田の酒は、まだ知名度が低いので、しっかり商品コンセプトを理解してくれるインポーターの存在が不可欠です。今回、インポーターが商品を気に入って、合う販売先を探してくれたので助かりました」。台湾では、利き酒師が常駐し、料理と合わせた日本酒を提供する店も増えている。「今はまだ、食事中に日本酒を飲む習慣はありません。でも、若い人を中心に少しずつ、料理との合資会社柴田酒造場地元愛がつまった伝統的な日本酒を世界へ発信柴田酒造場の柴田佑紀さん(左)と中小機構の永田アドバイザー (右)台湾と日本の飲酒習慣の違いを知る

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