平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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30当社は、江戸時代から続く老舗の酒蔵だ。20代で副社長となったのは、柴田佑紀さん。もともと別業種で働いており、アメリカ駐在経験もある柴田さんは、国内での清酒消費量の減少と、地域の過疎化を懸念していた。そこで、「柴田の酒が世界に広まれば、地元にも還元できるのではないか」と考えた。海外、とくに先進国やアジア諸国では日本食ブームが続き、日本酒の輸出量は伸びている。そこで初めての本格的な輸出先を、親日的でアクセスもしやすい台湾に決めた。日本酒は、ワインと同じく保存方法によって品質が左右される。台湾は日本酒への理解が進んでおり、品質を落とさない適切な扱い方をしてくれることも魅力だった。「前職では輸出関係も担当していたので、ビジネスのイメージは掴めていました。自分でも何度か台湾へ行き、手探りながらインポーターは見つけられたんですが、そこからの販路開拓ができていなかったんです。本事業なら、経営課題や今後どうすべきかまで、一緒に考えることができると思い応募しました」。柴田さんは現地調査に向けて、中小機構の職員や永田アドバイザーとともに、具体的な戦略を練っていった。台湾進出の主力商品として考えたのは、「生もと」「山廃」という昔ながらの製法で作った純米酒、「(ぎん)」だ。まろやかな旨味が、味の濃い台湾料理に合うと判断した。さらに、「自然豊かな山あいの超軟水を使用」「手間をかけた昔ながらの製法」といったストーリーをPRし、付加価値にしたい。また、台湾には大吟醸酒が多く流通していることから、フルーティな純米大吟醸「神水(かんずい)仕込み」の販路も探ることにした。現地での訪問先は、日本式の居酒屋や日本酒専門店など、台湾の日本酒ニーズを探りつつ、商談ができるところを中心にアポイントを取っていった。訪問先候補は、すでに取引のあるインポーター経由で出していったほか、中小機構側から大手インポーターへの訪問も提案。さらに、商品をハイエンド層に届けるため、百貨店販売のルート開拓も視野に入れた。それと同時に、英語のECサイト作成も進めた。柴田さんが英語に堪能なことから、インスタグラムなどのSNSでは、日本語と英語を併記して投稿している。永田アドバイザーから、「SNSを単なる情報発信に終わらせるのではなく、ECサイトにつなげる導線が必要」など、WEBマーケティングについての助言も受けた。現地での販路と、WEBの双方で知名度アップを狙う戦略である。しかし、いざ現地調査に飛んでみると、日本との文化の違いに直面した。海外進出を成功させ地元に還元したい清酒のほか、果実酒も製造している台湾での販路開拓に向けた戦略所在地代表者業種愛知県岡崎市柴田 秀和製造業事業内容資本金売上高清酒、リキュール、加工食品の製造・販売3百万円108百万円従業員数URL7人https://www.shibatabrewery.com/会社概要

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