平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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22が不利になってしまう。現地にいる競合との差を埋めるためにも、EUに拠点を置き、スピーディに対応する必要性を感じていた。そこで候補に挙がったのが、ポルトガルだ。ポルトガルはEU諸国へのアクセスがよく、物価・人件費などのコストが比較的安い。また、自動車業界への金型需要があり、新規開拓の可能性も感じた。さらに追い風となったのは、海外販売チームに、ブラジル国籍でアメリカ育ちの社員、ペドロさんがいたことだ。ポルトガル語ネイディブで英語・日本語も堪能なペドロさんは、当社のインターンシップに参加し、グローバルなビジョンに共感。語学力や自分のバックグラウンドが会社に貢献できそうだと、3年前に入社した。現地駐在員として、これ以上の適任はいないだろう。伸び行く業界も、最適な人材も、将来のビジョンもある。しかし、萩野さんの頭の中には、海外進出のざっくりしたイメージがあるだけで、具体的にどう動けばいいか分からなかった。以前から中小機構の経営支援を受け、手ごたえを感じていた萩野さんは、中小機構の海外ビジネス戦略推進支援事業にも申し込んだ。現地調査に向け、中小機構の職員・中家アドバイザーとミーティングを重ねながら準備を進めていった。萩野さんの中にだけあったイメージを、「なぜそれをしたいのか」を具体的に洗い出し、事業計画へと落とし込んでいく。ミーティングには、ペドロさんをはじめ営業チームみんなで参加し、萩野さんのビジョンを直接共有していった。中小企業は大企業と比べ、思い立ったときに行動しやすい。そのぶん、あまり考えないで動いてしまうこともあるという。途中で想定外のことが起こると、そこで止まったり、脱線していってしまう。そうならないため、この先に起こりうる様々な事態を想定し、それに対するオプションをみんなで考えていった。「飛行機と同じで、飛び立つには長い助走が必要だ」と、萩野さんは実感した。特に迷っていたのが、進出形態を駐在員事務所、支店、現地法人のどれにするかだ。初めての海外進出で情報がない萩野さんらに代わり、海外経験豊富な中家アドバイザーが、それぞれのメリット・デメリットを表にしていった。おかげで、現地調査前にある程度の判断材料を持つことができた。訪問先探しにも、中小機構のアドバイスが役に立った。萩野さんらは過去に海外を訪問したことはあったが、自分たちだけだとどうしても目先のお客さ大和合金萩野社長(中央)とペドロさん(右)、中小機構の中家アドバイザー(左)チームで準備を進めビジョンを共有所在地代表者業種埼玉県入間郡萩野 源次郎製造業事業内容資本金売上高特殊銅合金の製造・販売45百万円5,385百万円従業員数URL40人http://www.yamatogokin.co.jp/会社概要

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