平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
19/84

18フランス、特にパリは、EUの中でも洋菓子の激戦区だ。最近は、日本食ブームに乗った菓子店や飲食店が、パリに進出するケースも多い。関係の取引先がパリに出店するにあたり、当社にも「パリに来てほしい」と誘いがあった。和菓子のパッケージは保存性の確保と、用の美のバランスが難しいため、開発に高い技術が必要だ。当社は、創業者が羊羹のパッケージを開発して以来、内容物に合わせた高品質のパッケージを開発・製造してきた。業界からの信用は厚い。さらにきっかけとなったのは、2018年、世界中で問題提起された「海洋プラスチックゴミ」だ。きっかけは、捨てられたストローが鼻に刺さったウミガメの、苦しそうな姿がSNSで拡散されたこと。以後、クジラの胃から大量のプラスチックごみが出てくるなど、海洋汚染が深刻な状態であることが世界に認識された。環境先進国であるEUでは、すぐさまプラスチック容器の規制を強化。日本でもレジ袋の有料化が進むなど、環境に対する意識が高まっている。代表の尾関勇さんは、こう語る。「弊社は以前より、自然素材を使った環境に優しい容器を開発してきました。EUのプラスチック規制は今後、ますます厳しくなるでしょう。そこで、日本が得意とする、紙を使ったデザイン性の高いパッケージの需要が出てくるのではと思いました」。フランスへの本格進出を決めた尾関さんは、「海外ビジネス戦略推進支援事業」に応募した。中小機構と現地調査の準備を進める中で、驚いたのは事業計画書をかなり作りこんだことだ。海外進出のきっかけから、最終的にどこを目指すかまで、ぼんやりと考えていたことを全て明確にする必要があった。毎月、中小機構とのミーティングが迫ると、尾関さんとマーケティング部主査の竹野さんは、頭を悩ませながら計画書に向き合っていたという。「とても細かく、正確に、筋を通すことが求められました。しかしそのおかげで、計画がどんどん洗練されていきました。ゴールが明確になり、そこに至るまでのステップが整理された。この計画書には会社のビジョンがまとまっているので、全社員が読んでいます」。さらに中小機構と相談し、フランス市場調査を専門業者に依頼。プラスチック規制の詳細や今後の動向、パッケージに対する安全基準などの知識を得た。また、商談先候補がどんなパッ日本食の普及とエコ、2つのビジネスチャンス事業計画書でビジョンが明確にアンゼン・パックス社内所在地代表者業種東京都港区尾関 勇製造業事業内容資本金売上高菓子のパッケージデザインおよびパッケージの開発製造55百万円1,184百万円従業員数URL27人http://www.anzenpax.com/会社概要

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る