平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
16/84

15あと、さらに具体的な損益計画書を作り直しました」。現地調査に向けては、菅野さんと中小機構のネットワークを使い、訪問先を決めていった。法人設立の手続きや、危険物取扱の法律関連をどこに聞けばいいかなど、限られた日数で情報が網羅できるようスケジュールを組み、ベトナムへと向かった。ベトナムでは、中小機構の職員、田辺アドバイザーと共に、首都のハノイとホーチミンをまわった。菅野さんと親しい企業はホーチミンに多かったが、やはり経済の中心であるハノイも見ておきたい。実際、日本の大企業はハノイに集中している。菅野さんは、ホーチミンに進出することをほぼ決めていたものの、実際にハノイを見ると迷ったという。「まず首都に進出するのが自然な流れかな、とは思いました。一方で、ハノイにある日系の大企業が、新規でうちと取引してくれるとは考えにくいとも思いました」。日系の中小企業を訪問しヒアリングを続けるうち、タイとはまた異なる、ベトナム独特の事情も見えてきた。メイド・イン・タイで何でも物が揃うタイとは違い、ベトナムは多くを輸入に頼っている。品質のよい物はまだ少なく、「日本の建築資材を使いたい」という声が多かった。また、ベトナムは送金のハードルが高いため、「直接輸入するより、スガタ商事のような商社が代行してくれる方が助かる」とも言われた。強みである、コンサルやワンストップサービスのニーズも高い。今まで細切れに入っていた情報が、計画的に調査をまわることで、線としてつながっていった。日系の中小企業の数は、ハノイよりもホーチミンの方が多い。「うちのニーズはホーチミンにある」と、心が決まった。さらに、実務関係も明らかにしていった。投資局で許認可手続きの詳細を聞いたり、会計事務所で税務関係や人材雇用のアドバイスをもらったりと、法人設立に向け具体的な情報を集める。海外経験豊富な田辺アドバイザーと一緒に行動できたことも、菅野さんにとっては大きかった。「食事や移動中の何気ない会話の中で、色々な話を聞くことができました。単なる雑談で終わってしまわないよう、常に情報を得ようと意識しました」。訪問先は製造業をメインに考えていたが、「違う業界を見てみるのもいい株式会社スガタ商事ベトナムで得たネットワークを日本の事業につなげる上:中小機構の職員とスガタ商事の菅野さん下:スガタ商事外観点だった情報が現地で線につながった

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る