平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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14ため、タイに事業所を設立した。そして今回、次のアジア拠点として、ベトナムのホーチミンを選んだ。「最初は、人づきあいから始まったんですよ」と、代表の菅野清文さんは言う。もともと菅野さんは、タイでの仕事の合間に、よくベトナムへ遊びに行っていた。協力企業で30年来つきあいのある人が、ベトナムに駐在していたためだ。その企業は別業種だったが、取引先の工場から、塗装機械の相談を受けることがあったという。「うちではできないが、もしスガタ商事さんで受けられるなら、やってほしい」と、ベトナムの取引先を紹介してもらうようになった。やがて、ベトナムに進出している他の日系企業とのつながりも増えていく。海外で日本人同士が出会うと、特別な連帯感が生まれるものだ。ビジネスありきではなく、飲み仲間、遊び仲間として、業種を超えた人づきあいが続いた。そのうち「菅野さんから商品を買いたい」と言われるようになり、ベトナムでの取引が徐々に増えていった。中小機構の海外ビジネス戦略推進支援事業を知ったのも、ベトナムつながりだ。現地では、山形にいたら会うことがなかったであろう、他県の社長たちとも知り合うことができた。ある日、「ベトナム進出しませんか」と、本事業の存在を教えてもらった。その企業も、中小機構の支援を受けて海外進出を果たしていた。詳しく内容を聞いた菅野さんは、応募することにした。ベトナムに知り合いの多い菅野さんが、なぜ支援を必要としたのか。すでに何度も現地に行っており、ビジネスイメージも持っていた。ベトナムの情報を得るためなら、もう十分なネットワークがあるはずだ。菅野さんからは、こんな答えが返ってきた。「現地で出会った色んな方から、ベトナムに来てよ、と言ってもらいました。ありがたい話ですが、みなさんベトナムのいいところばかり教えてくれるんですよ。それを鵜呑みにしていいのか、判断に迷いました。悪い面を知らないままで本当に大丈夫だろうか、と」。中小機構と一緒に現地を見て、客観的な意見が知りたい。進出先を首都のハノイにするか、知り合いの多いホーチミンにするかで、迷いもあった。不安や疑問を解消し、方向性をはっきりさせるために、申し込んだ。現地調査の事前準備として、中小機構からは事業計画書のほか、「損益計画書を作ってください」と言われた。まだ詳細がわからない中、こんなに早く損益計画書を作るのは初めてだった。現地の事務所を借りる値段や人件費などを、できる限り厳密に計算していく。作ってみると、イメージがより具体的になった。「自分たちだけで準備を進めていたら、あの段階で損益計画書は作っていなかったと思います。事前に数字をきっちり出すことで、金額が理解しやすくなりました。かなり役に立ったので、現地調査の山形市から電車で約30分の寒河江駅中小機構の目を通し、客観的にベトナムを見たい所在地代表者業種山形県寒河江市菅野 清文卸売業事業内容資本金工業・建築用塗料、塗装設備装置、資材の販売および関連コンサルタント業務20百万円売上高従業員数URL1,401百万円27人https://sugata-shoji.co.jp/会社概要

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