平成30年度 海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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11背中を押してくれたのは、日本での実績だった。くま教育センターには、47年前に京都で初の幼児教室を開き、発展させてきた歴史がある。「新天地で、またゼロから作り上げればいい」。そう考えた熊本さんは、渡航先をヒューストンに決めた。現地調査の訪問先探しも、小川アドバイザーの助言のもとに進めていった。訪問先から考え始めると、どうしてもアポイントを取りやすいところばかり選んでしまう。しかしそれでは、必要な情報は網羅できない。そこで、まず「何がクリアになれば先に進めるか」を考え、そのためには誰に会えばいいだろう、と候補を出していった。特に気になったのは、許認可についてだ。以前ダラスに渡航した際、「保育園を開くには行政の許認可が必要」と聞いていた。熊本さんは、小川アドバイザーから参考になりそうな英文サイトを教えてもらい、片っぱしから読み込んだ。そうして可能な限りのデスクリサーチを行い、現地調査へと向かった。ヒューストンでは、商工会、日本人会、日米協会などを訪ね、ニーズ調査を行った。「日本人家族は多いのに、日本語や文化を学べる場所がない」「帰国後、子どもが日本の生活になじめるか心配」「日本式教育をやってもらえると助かる」など、生の声を聞くことができた。また、現地の幼稚園も訪問。各園がそれぞれ異なる教育方針を持っており、保護者が合うところを選んでいた。それなら、日本式教育も選択肢のひとつになるはずだ。心配していた許認可についても、現地で情報を得てクリアできた。さらに、雇用する人材の面接を実施。保育の経験者や、現役で働いている人と出会うことができた。一方で難航したのが、物件探しだ。当初は、日本食スーパーの近くにと考えていた。事前リサーチで、そのスーパーに日本人が多く集まると聞いていたからだ。しかし、実際に見てみると、ほとんどの現地日本人に認知されているスーパーでも、曜日と時間帯により客層と入り数はまちまちだ。またヒューストンは車社会で、片道10車線以上ある道路を運転して、子供を送迎する必要がある。日本人の保護者に送り迎えしてもらうためには、道の分かりやすさも必須条件だ。そこで、自分たちで車移動し株式会社 くま教育センター現地調査で聞けた生の声日本での実績をもとに、ゼロから作り上げた新天地での事業くま教育センターの熊本季治代表

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