ふるさと名物応援宣言
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‐88‐ 応援宣言の実施に向けて、まずは庁内で使用する地域産業資源を大島紬と黒糖焼酎に絞り込み、応援宣言の作成過程で、共同で宣言を実施することになる龍郷町、本場奄美大島紬協同組合や奄美大島酒造協同組合へ相談しつつ、応援宣言の内容を詰めていった。 奄美市と龍郷町は、全国的にも珍しい「飛び地」となっているが、大島紬と黒糖焼酎の企業はこの2市町に集中している。特に大島紬については、平成26年に産地再生協議会を設立し、共同で事業を行っていることから、2市町で宣言をするための素地はできていた。 なお、奄美市では、昭和46年に「伝統産業振興モデル都市」を宣言し、基幹産業である大島紬の振興に努めてきたところであり、大島紬の販路開拓やPR活動、地元の消費気運の醸成、事業の適正化への支援等に取り組んできた。 大島紬に関連する組合は、生産者を中心とする本場奄美大島紬協同組合と販売者(問屋)を中心とする本場奄美大島紬販売協同組合の2つがある。その2つの組合と奄美市、龍郷町の4団体で、本場奄美大島紬産地再生協議会を設立し、在庫削減に向けた取組などを進めてきたところである。 ●「ふるさと名物応援宣言」に関する取組、メリット、見通しなど 奄美市の創生総合戦略(「奄美市『攻め』の総合戦略」)は、応援宣言に先行して策定されたものであるが、基本的には奄美市が目指す方向性と応援宣言の趣旨・内容は合致するものと認識している。 応援宣言に特化した経済効果というものは定かではないが、短期的な到達点としては大島紬と黒糖焼酎の生産量の下げ止まりを目指している。黒糖焼酎については、一時期の「焼酎ブーム」以降、生産・販売量が落ちてきたが、ここにきて下げ止まりの状態となっている。どちらかというと黒糖焼酎のメーカーは資本力が大きく、都市部の一大消費地に営業所を持ち、販促をかけることができるが、一方で大島紬の方は中小・零細の事業者が多いのが実態である。現在も生産を続けている大島紬の事業者は、以前のように販売量が見込めない反物(着物)づくりに固執することはせず、スカーフや小物など、新たな商品づくりに積極的に取り組んでいる事業者が多い。大島紬に関しては、「本場奄美大島紬産地再生計画」を策定中(平成28年度末までに策定予定)であり、その中で今後5年後、10年後の生産量等の目標値を盛り込むこととしている。生産・販売量を確保し、職人の生活を安定的にしていくことが、伝統産業の維持や後継者問題にとっても必要になってくる。 具体的な事業成果を得るには至っていないが、行政としては応援宣言を実施したことで九州経済産業局との連携の機会を持つことができ、国際出展に向けた職員研修への参加や「食の商談会」への参加打診を受けることなどにつながっている。 奄美市の創生総合戦略においても、観光(DMOや着地型観光等)を推し進めていくことが基本方針の中で挙げられている。観光で人を呼び込むためにも、コンテンツの一つとして、特産品の開発が不可欠である。現在、大島紬の工程見学や実演・体験、黒糖焼酎の工場見学などの観光・体験メニューもあり、一般的な観光コースにも盛り込まれている。

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