ふるさと名物応援宣言
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‐28‐ プロ人材が関わっている地域ブランドづくりの事例は数多くあるが、例えば滋賀県の「マザーレイクプロダクツ」(立命館大学経営学部)は、行政担当者が外部人材(大学教員・プロダクトデザイナー)を活用しながら、新たな視点から地元の伝統工芸品のブランド化に取り組んでいる。デザイン性の高い商品を開発することによって、広告業界で権威ある賞を受賞し、プロモーション力が一層高まり、ブランド認知度が向上した。さらに、地域外での展示会でも多くの集客があり、マーケティング面でも高い効果を得ている。 「美しい砂浜を活かしたアート展」(NPO砂浜美術館)は、地元の砂浜を美術館に見立てて斬新な展示を行う取組である。本プロジェクトでは、まず外部専門家(デザイナー)と協力し、外部の視点によって、砂浜が活用可能な資源であることを発見した。地元には資源となり得るものが何もないと思われていたが、当時の箱物ブームの中、あえて美術館が町内にないことをPRし、インパクトを与えた。さらに、従来から関わっていた地域づくりの中心メンバーだけでなく、地域の人々やボランティア等の中でも価値観を共有し、支援者を増やしていった。この取組は、砂浜を活かしたその他のイベント開催にも波及し、マスコミや口コミを通じて県内外に紹介されたことによって、知名度を全国区にし、さらなるイベント参加者の増加につながった。 燕三条の「オープンファクトリー」(「燕三条 工場の祭典」実行委員会/公益財団法人燕三条地場産業振興センター)は、金属加工品工場が集積している地域特性を活かし、日常では目に触れることのない金型工場の見学や、ものづくりを体験できるイベントを実施し、地域内だけでなく、地域外からの観光客や事業者等の取り込みに成功した事例である。取組には、デザイナーやプロデューサーといった外部の専門人材を活用することで、「工場」という一見立ち入りづらい場所のイメージを刷新し、イベントでも気軽に参加しやすいような環境を整備した。祭典のシンボルは、デザイナーによって、工場のイメージを一新するピンクストライプの斬新なデザインとしている。さらに、コンセプトづくりからアートディレクション、PRにいたるまで、著名なクリエイターが関わっている。今では、地域の多くの工場の協力を得て、自由に工場見学できる体制を整え、参加者がものづくりを楽しめるような大規模な参加型イベントに発展しており、ものづくり体験プログラム参加者の中からは、新たな職人も誕生している。 「ふるさと名物応援宣言」の関連支援策の中にも「ふるさとプロデューサー育成事業」があるように、消費者志向にマッチした地域ブランドの開発という点では、その道の専門人材を巻き込み、地域資源の魅力を最大限に発揮して、消費者志向に合う商品特性やデザイン性、ストーリー性を付加していくことが求められる。

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