平成27年度海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
26/50

F/Sの目的と実施内容及び成果等外国語Webサイト構築の目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的 同社は催事等での単発的なBtoC販売の経験は有していたものの、海外企業との継続的かつ常設的なBtoB販売の経験はなく、台湾での商流の状況や各地の販売店などについての情報も乏しい状況にありました。 また、このような知識や経験の不足をカバーするために専門の商社を通すといった既存の流通経路に過度に依存した場合は、採算性の問題の他にエンドユーザーからの声が同社に届きにくくなるという懸念も抱えていました。 そこで、岡田社長と中小機構の専門家との議論により、台湾での販路開拓にあたっては、日本からの輸出は同社が直接の輸出者となり、台湾での輸入者と卸売りの機能は同社が今後台湾に設立する予定の現地法人が担ったうえで、台湾の卸売又は小売業者へ販売するという流通チャネルを構想しました。 また、各地域ごとに販売力を持つ卸売又は小売業者を発掘し、各社と販売条件についての合意を如何に実現していくか、という小売店チャネルの構築構想に関しては、台湾に在住している中小機構の現地アドバイザーからの情報とアドバイスを得ながら検討を進めていきました。 検討の結果、地域別には商圏を高雄、台南、台中、台北の4都市に分けたうえで、各都市ごとに同社の商品特性にマッチするような小売業者(店舗)をロングリストからショートリストに絞り込み、最終的には各地域内での競合を避けることができる配置となるよう心がけました。 また、同社現地法人から小売業者への直売とする事で、同社のイニシアチブを確保し、消費者との距離感が少ない流通経路となることを目指しました。■現地アポイント等 岡田社長がこれまでの催事出展等で得た人脈と中小機構の現地アドバイザーの協力により小売業者候補のアポイントを取得するとともに、現地法人の設立に必要な諸条件を確認するため、不動産会社、人材紹介・派遣会社、会計事務所を訪問することとしました。■FS実施内容と成果   現地F/S時及びその後の小売業者候補との折衝では、岡田社長によるプレゼンテーションとフェース・トゥ・フェースでの話し合いが功を奏し、販路開拓については概ね事前の構想と戦略に近い形での合意を達成する事が出来ました。 今回のF/Sを通じて、販路開拓に向けたステップを着実に踏む事で、新規市場での継続的かつ常設的な販路を確立するという具体的な成果に目途をつける事が出来たのは大きな成果と言えます。 また、台湾での現地法人設立にあたっては、法的・制度的な面での障害はないものの、企業のビジョンや思いに共感して事業を長期間円滑にマネジメントしてくれる人材(又はパートナー企業)を確保することが重要なポイントになってくることを再確認しました。 同社には外国語のWEBサイトが無かったため、顧客への取扱い商品の具体的イメージの伝達に課題を抱えていました。 今回の支援事業を用いたWEBサイト構築では、企業として伝えたいメッセージとして、山中漆器に受け継がれてきた技巧と伝統、その伝統に根差した現代の生活シーンにあったモダンな漆芸ステーショナリー等の提案と同社の企業ミッションの紹介に重点を置くこととしました。 この点についてのWEBサイト制作会社との認識共有も順調に進み、美しい製品写真とともに英語及び中国語(繁体文字)のWEBサイトは期待を裏切らぬ出来栄えで完成しました。 海外販路開拓において外国語のWEBサイトは必須要件であることを今回の現地F/Sでの訪問先との折衝を通じて実感した事もあり、同社では今後WEBサイトを活用して、次の販路開拓課題である越境ECにも取り組んでいく予定です。園田 孝北陸本部海外販路開拓支援シニアアドバイザー今回のF/Sでは、直接輸出により現地での販路を自主開拓する事を主眼に取り組みました。企業の販売ビジョンが明確で台湾側のパートナー候補の理解を得られやすかったこともあり、順調に販路開拓の目途がつきました。今後は企業社内での海外業務対応能力の向上が求められますが、山中漆器産地の他の企業との協働による販路の有効活用について、中小機構からも提案していきたいと考えています。担当専門家から一言 台湾では日本のアニメや音楽といった若年層を中心としたポップカルチャーに加え、日常生活で機能性とデザイン性が両立した実用品を求める中若年消費者層も広く存在する事が今回の調査を通じて窺われました。 特に、デザインや色彩等の外観そのものに加え、工芸品ならではの匠の技のストーリーがプラスされる事で、商品の付加価値が増し消費者の評価を高めている事が印象的でした。 今回開拓した同社の台湾における販路を通じて、山中漆器産地等で開発された機能性とデザイン性に優れた製品の新たな市場が開けるものと期待されます。 今後は事業拡大に伴い、同社内での海外業務への対応能力の向上が課題となってきます。 特に同社では人材面での余裕に乏しいことから、英語(更には繁体文字)での頻繁な通信、輸出業務、海外現地法人の運営等に対応するために、JETROや中小機構が実施している講座や研修等も活用して、国内外での人材強化に努めていく必要があります。北陸新たに構築したWEBサイトのトップページ25

元のページ  ../index.html#26

このブックを見る