平成27年度海外ビジネス戦略推進支援事業 事例集
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24株式会社岡田や漆器製造業・卸売業輸出・販売子会社設立会社概要 平成28年3月現在所在地 石川県加賀市別所漆器団地23-5代表者 岡田禎介 業 種 漆器関連製品の製造企画、 卸販売等資本金 10百万円売上高  非公開従業員数 8名URL http://okadayajapan.com/海外展開検討国 台湾 当社は業務用漆器を核に漆器関連製品の製造・販売・修理業として、昭和21年の創業以来、国内市場で長年にわたり堅実な事業を継続してきました。 今日では異業種の企業とも連携し、伝統工芸の技法を活かした事業概要海外展開の動機と狙い(F/S前) 北陸地方には輪島塗、九谷焼、高岡銅器、越前和紙等の伝統的工芸品が数多く存在しており、とりわけ山中漆器は我が国の最大の漆器生産地として全国にその名を知られています。 しかし、これら伝統的工芸品の需要の低迷が長期間にわたって続いた事から、近年は漆器についても全国レベルの生産額でバブル期のピークに比して3割以下の水準にまでに落ち込んでいます。 その背景としては、国民の生活様式の変化、大量生産方式による安価な代替品や輸入品の台頭といった外的要因に加え、作り手による消費者のニーズに適合した商品開発の遅れや、新たな流通経路開拓の遅れといった内的要因が指摘されています。 また、漆材料の調達が難しくなってきていること、後継者確保が容易ではないこと等から、今後の生存をかけた厳しい経営課題に漆器産地の企業の多くが直面しています。 このような漆器産業の先細りが懸念される環境の中で、山中漆器の産地では、大量生産に対応できる製法や材質の開発、従来の伝統的工芸品の枠を超えて現代の日常生活にマッチするような新製品の開発、そして海外市場の開拓への取り組みがなされてきました。 同社もまた国内の漆器市場が縮小していく環境下で新たな市場を開拓するための取り組みを続けてきました。 その一つは、台湾での伝統的な漆器の販売です。山中漆器が立地する加賀市と台湾・台南市との友好都市協定に基づく文化交流事業として4年前に台南市で催された物産展への出展をきっかけに、同社は台湾の消費者に向けて現地百貨店で開催される催事での展示販売に取り組んできました。 日本文化への理解が深い台湾でも、日本の伝統的な漆器への関心はさほど高くないと言われてきましたが、催事で茶器等の伝統的な漆器が予想以上の反応を得たことから、同社は高雄、台南、台中の3都市に範囲を広げ、催事での漆器販売を実施してきました。 同社のもう一つの取組みは、山中漆器の技法を用いたモダンな生活用品の開発です。 スマートフォンカバー、PCマウスといった現代生活に不可欠な身の回り品や文房具に、漆塗りや蒔絵を施した同社の製品は、実用品の枠を超えたモダンなテイストと伝統工芸独特の優雅な趣と魅力を醸し出しています。 岡田社長は日本国内市場でこれら新製品が消費者から好評を得た事から、台湾の若年層への販売可能性に着目し、現地での常設的な販路開拓の検討に取り掛かりました。 この検討の過程で、取引銀行の担当者から中小機構の海外ビジネス戦略推進支援事業を教えてもらい、構想実現のツールのひとつとすべく応募し採択されました。F/S支援事業の流れ経営戦略海外展開計画策定資料・現地F/S及び成果日本国内の伝統的な漆器市場の縮小に対応し、①現在のライフスタイルにマッチする製品開発②日本文化に対する関心が高い国・地域への市場開拓を行う催事等出展で手ごたえを得てきた台湾各都市(高雄、台南、台中、台北)に継続的かつ常設的な販路を確立する台湾での輸入者と卸売りの機能を持つ現地法人を設立する日常生活で機能性とデザイン性が両立した実用品を求める消費者層が存在することが確認できた小売業者候補を複数発掘できた現地法人設立にあたっては、人材(又はパートナー企業)の確保が課題として浮上した台湾(高雄、台南、台中、台北)台湾での漆芸ステーショナリー等の販路開拓 ~日本の良品を世界へ発信~新たな製品を生み出しています。 また、海外販路開拓に向けて、海外で行われるフェアや催事等に積極的に参加して、日本の伝統的工芸品が持つ技と美を備えた魅力を広く発信しています。

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