平成24年度F/S支援事業 事例集
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7北海道34F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し担当専門家から一言佐々木 昇 北海道本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー■当該企業の商品(OEMを含む)の販路開拓 ベトナムでは日系企業(エースコック、味の素など)をはじめとして5社に調査を実施しました。 サンプルを持参したものの濃縮タイプのスープやタレであるため試食までには至りませんでしたが、ベトナム語に翻訳した商品説明資料を準備していたことで、ヒアリングは順調でした。当該企業の商品の販路拡大については商品の魅力はあるものの実売するには価格が問題だということを指摘されました。 小売りに関しては北海道からの輸出コストを加算すると1.8~2倍という店頭売価が想定されます。この価格ではいわゆる富裕層という限られたターゲットしか狙うことしかできず大きなビジネスには発展しづらいと考えられます。 日系量販店のある国では商品の試食などプロモーションを行い同時に販売という手法が一般的であるのですが、ベトナムには日系量販店がなく商品棚にすぐに並べるというのはかなり乱暴であると思われます。 第一段階として現地法人を立てて商品の販売に向けての許認可を取得し輸入体制を整えるために現地での拠点作りが急務と考えます。次に当面現地でのマネジメントをサポートしてもらえる人材を確保します。当該企業の現地派遣は人件費などを考慮し販売の体制が整ってから出張ベースで現地に赴き、試食などのプロモーションに立会います。また同時に現地企業の製造責任者を当該企業に招聘し当該企業の製造過程や商品管理を熟知してもらいます。 第二段階として現地委託製造に関してベトナムの所得水準は現在の日本の1/10であるため、当該企業の商品は高価格であることは間違いはないのですが3年後には所得は3倍まで伸びるという経済予想もあります。それまでの間は苦戦を強いられると思いますが北海道の老舗企業の海外進出は追随する企業に対する波及効果は大きく北海道の海外ビジネスのガイドブック的存在になることは必至であり、そのためにも現地での契約、雇用については慎重に進めることを強くお勧めします。それらを十分熟知し企業としての新たな一歩を踏み出していただきたいと思います。 そこで一般小売はあくまでベル食品の知名度を上げるためとベトナム人の嗜好性を確認する意味で試食やプロモーションを繰り返し展開し店頭販売を実施していくのがいいかと思われます。同時に焼き肉レストランの急増に伴って需要が見込める業務用の販路拡大を進めていきます。 またOEM製造については大手日系企業は既に取引先を決めているので新規参入のハードルは高いものの現地製造によって価格を抑えることができれば将来的には可能性はゼロではないと思われます。■当該企業の商品の委託製造を請けてもらえるパートナー企業の選択 政府系企業も含めてローカルの製造業者4社に調査を実施しました。 ここではサンプルを持参し当該企業の商品と同等のものが作ることができるか確認を行いました。 結果として原材料の調達が可能なのでレシピさえもらえれば製造は可能とのことでした。 ベトナムの加工業の技術レベルはまだまだ高いとは言えません。人件費が安い分機械化が遅れておりいわゆる人海戦術でのフル操業体制をとっている企業がほとんどでした。 政府との強いコネクションを持つ政府系企業がある反面、自社ブランドをいち早く立ち上げ世界各国に輸出をしている意欲的な企業もありました。 政府系企業はそのコネクションを使い輸出入に有利な計らいをしてもらえることが期待できます。ベトナム政府が認める企業ですので販売チャネルも多く製造から販売まで一貫して委託することも可能かと思われます。 どの企業も当社商品の技術レベルには高い評価をいただき、さらにMade in Japanというブランドにも大きな魅力を感じているので委託製造には異口同音に前向きな意見が聞かれました。 日本が戦後70年かけて築き上げた技術力を完成された状態で新興国が輸入できるというメリットは計り知れないものがあることを痛感し、この技術はこれからの企業の強力なビジネスツールになりうるものであることも改めて思い知らされました。の契約並びに出資額などを提示し双方了解のもとで事業をスタートさせることになります。委託製造の契約が結んでから常駐スタッフを現地責任者として赴任させ製品管理や営業、人材育成に従事してもらうという手順が妥当かと思います。 第三段階としてベトナム以外の周辺新興国へのセールスを開始します。これは現地企業の営業担当と共同での作業となります。 第一から第二段階までは時間を置かずに実施するべきであると思います。これはベトナム人の気質から考えて話だけ先行しても信憑性を疑われるため、速やかに委託製造までのプロセスを踏むべきと考えます。 いずれにしてもベトナム人に企業として認められるためには現地に定着した企業となることが重要であり、現地ベトナムで製造可能なパッケージ、印刷物、ノベルティなどを発注することによって双方向でビジネスを成立させれば本社での経費節減に役立ててもらえると思います。 また先行して進出したサッポロビールとともに北海道の知名度を上げ新たな「北海道ブランド」の立ち上げに貢献してもらえるものと確信します。

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