平成24年度F/S支援事業 事例集
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42ナカシマメディカル 株式会社事業概要12F/S支援事業の流れ経営戦略海外展開計画策定資料・現地F/S及び成果海外展開の動機と狙い(F/S前) 当社は、世界一の舶用プロペラメーカーであるナカシマプロペラの医療機器部門が独立した人工関節メーカーです。 プロペラはほぼ全てが曲面で構成され、要求されるのは0.01㎜。しかし、機械研磨の限界は0.8㎜。わずかな凹凸を見抜き、滑らかに研磨・加工するのは熟練工のなせる業です。こうした熟練加工技術を持つナカシマプロペラが新事業展開に乗り出したのが、人工関節でした。まったくの異分野でしたが、きっかけはプロペラの複雑な曲面を加工する熟練工の加工作業を見た医師の「滑らかな動きが必要な人工関節に応用できないか。」の一言でした。 人工関節の国内市場は年間約1000会社概要平成24年10月現在所在地 岡山県岡山市東区上道北方688-1 代表者 中島 義雄業 種 人工関節、骨接合材料等の医療機器の開発、製造、販売資本金 100百万円売上高非公開従業員数175名  URLhttp://www.medical.nakashima.co.jp/展開検討国・地域 オーストラリア、フィリピン、マレーシア しかし医療関連機器の市場開拓は簡単にはいきません。日本の医療規制は厳しく、さらに採用する医師がいなければ患者には届きません。実際、当社の製品の優位性を認めつつも、人工関節は患者の体内に長年埋め込む為、実績を重視する医師は既に市場を占有している欧米製品を採用します。後発の日本企業がシェアを拡大することは非常に困難です。 こうした状況の中、当社は海外市場にアジア太平洋諸国における医療機器の市場調査~欧米医療機器メーカーに挑戦する人工関節メーカーの海外進出~億円。しかしその9割近くは欧米医療機器メーカーの輸入品が占めています。欧米製品は寸法も欧米人の骨格向けであり、日本人にとっては最適とはいえない場合もあります。 人工関節の最大の課題は耐用年数であり、10~15年もすれば劣化が進み、取換えが必要となります。膝関節や股関節など関節の調子が悪くなる60歳頃に人工関節手術を行っても、80歳になれば取換え手術を行うとなれば、高齢患者の負担は甚大です。またサイズのフィットしていない製品を採用した場合、人工関節に合せる為に患者の骨を削る量が増えます。支える骨が減れば、再置換手術での患者舵を切ることにしました。見定めた市場は東南アジア。日本人の骨格、生活様式に近く、経済成長率や人口構成比から富裕層の高齢患者が増えると捉えたためです。先進国と異なり、医療規制が未成熟であることもありました。いち早く東南アジア市場に進出することで、先行者利益の獲得と人工関節の性能評価方法等を当社ベースに開発していくことで日本企業に有利な市場構築も狙ったものにかかる負荷はより大きくなってきます。 また、日本と欧米では生活様式が異なる為、椅子に座るだけでなく、正座にも対応できる屈曲が必要です。 当社は患者ひとりひとりの関節への適合、耐用年数の延長を目指すプロジェクトを立ち上げ、2008年先端医療開発特区(スーパー特区)24件のひとつに選定されるなど、国や大学、研究機関の協力を得ながら、日本人骨格に適合する人工関節の開発を進めています。でした。しかし、そうした戦略を立てても、実際の各国の医療事情や医療機器の流通ルート等は現地を調査しなければわかりません。ビジネスモデルとしての検証も必要としていました。こうした背景から中小機構の海外F/S支援事業に応募し、各国の医療事情と医療機器規制、流通ルートの検証を実施することになりました。拡大する東南アジア市場にいち早く参入。ビジネスモデルや各国の薬事規制等の参入障壁を考慮して海外事業計画書を作成。製品は、競合のない人工指関節を採用し、販路開拓に取り組む各国の公立/私立病院の医療事情、社会保険制度等を確認現地の医師に、製品の特長が伝わり、採用に向けた具体的な計画に進展。製造業オーストラリア、フィリピン、マレーシア輸出

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