平成24年度F/S支援事業 事例集
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4134F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的①インドで当社が製鉄生産のための連続鋳造用モールド事業を展開する事業としての実現可能性を探ること。②進出形態は独資か合弁での進出か。合弁の場合、相手先を申し出のある2社で選ぶのか。それ以外の選択肢を取るのかの検討を行うこと。■事前準備 当社では、中小機構によるF/S支援事業採択前から独自にインドへの事業展開を視野に入れ調査を開始していました。既存の取引先からの情報収集をはじめ、先に述べた先方からのアクションを受け、社長自らインドに何度も足を運びました、進出計画は社長の頭の中にあるだけのため、具体的な進出計画を立案し、F/Sを実施するという段階的・組織的な調査体制を組むにはいたっておらず、中小機構のF/S支援により、検討が一気に進むこととなりました。現地F/Sの渡航直前まで、進出の際の投資計画策定に必要な同社技術陣の同行が予定されていましたが、インド側での工場建設に伴う機材調達見積等、事前の資料作成が遅れ、最後は社長決断により、今回の現地F/Sは技 今回のF/Sの最大の成果は、当社納品先であるタタ製鉄を訪問し、製鉄部長他担当者と意見交換できたことに加え、当社トップに直接面会することができ、会長の口からタタの方針を直接聞きだしたことに尽きます。タタ社トップの口から、当社がインドに進出することで、タタ社の要求を満たしてれるのであれば、当社を今後も取引相手としていくのに何の問題もないとの発言がありました。要求されたハードルは当社がこれまで第一に考えてきたサービスの質優先ということよりも、欧米他メーカーが提供する価格帯でのサービス提供であり、なにより一日でも早く、欧州勢と同様当社がインドに進出し事業展開を開始するということでした。 このタタ社での感触及び現地におけるマーケット状況を実際に見聞きした結果、それまである意味でインド進出を悠長に考えてきていた状況は一変し、現地F/S術チームを外して実施することとなりました。■F/S実施内容と成果 事前に守秘義務契約を締結した合弁候補企業2社(チェンナイ、プネ)及び技術援助候補企業1社(ジャムシェドプール)を訪問し、①工場見学を通じた事業内容及び管理力の確認②工場建設候補用地の立地状況の現場確認③合弁候補企業の経営責任者並びに経営幹部との相互の会社情報交換と合弁に向けての協議④候補先の状況把握⑤当社のインドにおける現行販売代理店等との直接情報交換を含む最新時点の市場動向把握を実施し、当社にとって最良の進出形態を決定し、合弁であればその場合のパートナーを選定するため詳細な調査と情報収集を行いました。 今回の現地F/Sでは合弁候補企業との交渉が予定されていたため、なによりインドの事情に詳しい中島現地アドバイザーから交渉の進め方について助言してもらい、もしも当社が単独で現地F/Sを実施していたなら陥ることになったかもしれないさまざまな懸案を無事回避し、必要な調査を終えることができました。 合弁について出資比率、技術供与料、事業内容その他の事項について、相手先と意見交換することができました。結論として、当社との提携に適する候補企業並びに提携の経営形態(合弁)を絞り込むことができ、また、進出先のマーケット状況も、日本国内からでは把握することが難しいほど大きく変化していることが、浮き彫りとなってきました。の目的を早急に達成することが最重要課題となりました。時間との勝負であり、進出を急ぐためには、これから進出先を検討するという独資による進出は論外となりました。 帰国後、早期に候補企業2社のうち1社に決定し、当社から内示書を発行し、相手先から回答を入手しました。同回答により基本事項に関する両社合意を確認し、1カ月に満たない9月17日に相手先副社長が来日し、両社で協議が行われました。本件プロジェクトは実行体制を早期に確立し、翌年10月の工場稼働を目標に準備に入っております。 本件は中小企業がインドの地場企業と合弁による進出という点でも、インド国内地場企業への販売を意図しているという点でも画期的な海外進出案件として位置づけられ、今後インドへの進出を計画している他の中小企業の模範的な先行事例となるものです。現地F/S協議タタ製鉄訪問担当専門家から一言塙 博夫 近畿本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー「インド進出計画を必ず実現させよう」という野村社長の熱い想いと強力なリーダーシップのもと、計画実現に向けて着実な第一歩を踏み出しました。今回、担当アドバイザーとして、計画実現のため、関係者からの協力を最大限に引き出すべく、プロジェクト推進のためのコーディネーター役に徹してきました。今後も工場の1日も早い稼働に向けてフォローにも尽力します。近 畿

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