平成24年度F/S支援事業 事例集
41/56

3934F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的①許認可、法規制、業界規制等の情報収集及びターゲットの嗜好性、立地、有効なマーケティングを現地にて把握する。②海外(パリ、ロンドン、上海)における直営店開業を円滑に進める。③直営店をショールームとして利用し、B to Bの販路開拓を進める。■現地アポイント等 移動日を除く7日間の渡航中に、不動産、雇用、法務に係る現地アドバイザー3名のほか、ディストリビューター、インテリアショップオーナー、バイヤー、デザイナー、インテリア専門誌編集者、業界団体等とのアポイントを28件得ることができました。 ■F/S実施内容と成果①パリ市における店舗立地とその相場観等、不動産アドバイスを受け、テナント賃借では賃貸料の他に営業権又は保証料などが必要であり、また、契約満了前に退出する場合は賃借権の転売先を探す必要があるなど、日本とは大幅に異なるシステムであることが分かったほか、賃料はエリアより物件によって決められ、かなり大きな差がある事が分りました。 弊社製品を欧州で展開するためには、先に直営店又はショールームを持つのが理想です。 しかしながら、F/S調査の結果からパリ市内の不動産は撤退障壁が高く、雇用者保護も厳しいことが判りました。 ロンドンは海外企業に対してビジネスインフラが整備されているものの、欧州②雇用に関するアドバイスを受け、月額給与は日本より若干低いと感じましたが、社会保険料が給与の約50%かかること、週35時間労働が上限であること、年間5週間の有給休暇を完全に消化させる義務があること、解雇に厳しいルールがあることなどが判明しました。③フランスでの会社設立に関して法務的なアドバイスを受け、簡易株式会社であれば設立が比較的容易にできることが分かりました。④フランスのマーケティングに関しては、官能的表現が優先されるため、ハイエンドを狙うには日本と同じアプローチだけでは難しいことが判明しました。一方で、その後の販売現場でのヒアリング等を通して、同業他社と異なるアプローチが必要であるとの意見も頂きました。⑤パリ市内の寝具専門店、百貨店ベッド売り場、業界紙編集者、PR会社等のヒアリングにより、B to B販路開拓については対象となる店舗はほぼ4か所に絞られることが分かりました。⑥ロンドン在住の家具業界の重鎮ディストリビューターより、弊社の展開としては直営店、有名百貨店、最高級家具のディストリビューターの3つの展開以全体の経済環境が悪い現状では高額寝具の販路は限られている模様です。出店のリスクはかなり高いものになると推測されます。 リスク低減のために欧州参入の第1歩はB to Bでの取り扱いを候補とし、現地にフィットした製品の供給体制を整える必要があります。そのためには各国の基準に合格し、また、最適なデリバリーと代金回収の仕組みを作らなくてはなりません。  直営店の出店の事前に、展示会出展やB to B取引で弊社のブランディングのスタンスを探り、マーケティングの方向性を明確にする必要もあります。外は考えられないとのアドバイスを受けました。また、ハイエンドマーケットへ参入するには最初の販売先の選定が重要であることが分かりました。⑦ロンドンの不動産コンサルタントから出店の可能性についてヒアリングを行い、弊社のショップ開設にふさわしい立地は家具ショールーム、デザイン系等が多いディストリクトであることが判明しました。⑧インテリアの業界団体にヒアリングを行ったところ、睡眠科学をベースにした寝室設計はされていないことが分かりました。睡眠のセミナーをインテリアデザイナー対象に行ってはどうかとの提案もいただきました。⑨インテリアデザイナー、PR会社、デザイン雑貨販売店からのヒアリングにより、弊社製品がハイエンドに向けに一定の市場性があることが分かりました。また、デザインに対して高い評価を受けましたが、同業他社との差別化をどのように打ち出すかが重要であることが判明しました。⑩英国貿易投資総省からのヒアリングによると、現地法人の設立には欧州の中でロンドンが最もビジネス環境が適しているとのことでした。担当専門家から一言小川 陽子 近畿本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー今回のF/S調査先で得た評価は“絶賛”。京都デザイン、特殊素材の高加工技術、MADE IN JAPAN、日本の富裕層からの熱烈な支持、これだけの好カードを持つ同社にとっては想定内と胸を撫で下ろしつつも、これからの戦いを思うと武者震いのするヒアリング結果でした。最高峰の商品に相応しい“超”富裕層向けマーケティング展開が欧州市場で成功する“one & only key”と判った為です。日本の優良企業は皆小さく生んで大きく育ててきました。この常識が通用しない21世紀の世界市場の現実に、同社は戦いを挑むことになります。近 畿

元のページ  ../index.html#41

このブックを見る