平成24年度F/S支援事業 事例集
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29担当専門家から一言中谷 泰 中部本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー今回のF/S⽀援事業を実施し、東南アジアの航空機関連市場は当社にとって非常に魅力的な市場であることが判明したと同時に、課題も整理することができました。魅力ある海外市場の開拓に向けた更なる計画の精査が必要となってきます。今後は的を絞った調査を繰り返しながら東南アジアでの拠点設立を実現していくものと確信しています。34F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的①東南アジアでの航空機部品加工の市場性とニーズ 東南アジア諸国での航空機関連産業の現状と将来性を確認し、日本の中小企業が参⼊できる可能性はあるか、更には、当社のビジネスチャンスがあるかを確認。②東南アジアでの航空機部品サプライチェーンの状況 東南アジア一帯での航空機関連部品のサプライチェーンに日本の中小企業が参入する余地があるかを確認。③将来の販売及び⽣産拠点配置の妥当性の確認 前述のような現状を把握するとともに、東南アジアの中で販売及び製造拠点をどこにどのような⼿順で配置していけばよいかを確認。■現地アポイント等 3カ国で計7件のアポイントが取れ、調査しました。(インドネシアでは販路開拓するためのパートナー企業・航空機生産企業・航空関連業界を管理する政府関連機関、シンガポールでは航空機関連部品を製造する企業・関連のある部品を製造する⽇系企業及び現地企業、マレーシア 前述のようにF/S⽀援事業における調査結果から東南アジアでの航空機部品産業へ参入するビジネスチャンスが十分にあることが判明しました。「聞くと見るとは⼤違い」で、現地に訪問し、関係企業や機関のスタッフの方々と直接話をすることにより、更に詳しい情報収集が可能になりました。 帰国後も当社に対する問い合わせも多く、それらに対応しながら計画の更なる具体化を進めていく予定でいます。当初は、営業所ベースでの展開になると思われますが、厳しい競争の中で継続的に受注していくためには顧客の近くに生産拠では航空機部品を製造する⽇系企業)■F/S実施内容と成果 現地調査を行う前に「東南アジアの航空機部品製造産業市場調査」を(社)中部航空宇宙技術センターに依頼しました。その調査結果から、航空機関連産業は東南アジアに集積しつつあり、関連企業の数や仕事量では⽇本の比ではないことを把握していましたが、実際に現地で調査を⾏うことにより、その詳細が更に明らかとなりました。また、今回渡航では今後のための⼈脈形成も構築でき、かなり有意義な調査でした。 インドネシアでは、航空機関連産業は政府が掌握している現状で政府関係の⼈物とのつながりが販路開拓の大きな課題となることが判明しました。提携予定企業の紹介で、航空機関連産業を掌握している政府関係の担当者とつながりを持てたことが大きな成果でした。現地近況では外資系航空機メーカーから旅客機部品の受注増加の様相に伴って、他のサプライヤーが新しく係われる可能性があることを把握できたことは、今後の営業活動の⼤きな成果と言えます。 シンガポールでは、国家事業として航空機メンテナンス事業に力を入れており、関連企業も多く進出している現状で、今回訪問した企業から当社が新たに受注していくためのヒント(チタン部品加工など)が得られました。また、当社の得意とする「安く・早く加工する」技術力がアピールできればチャンスがあることも判明しました。⼀方、現地で経営している日系企業と現地企業2社の訪問では、現地従業員の活⽤方法や生産⽅法や生産体制整備について把握することができ、今後の海外展開計画推進に有意義な情報が得られました。 マレーシアでは、民間航空機の分野において、設計や複合材の製造に強く、航空機メーカーのサプライヤーが多く進出していることがわかりました。その中で、早くから進出した日系企業を訪問し、7年間かけて黒字化に成功した現状を把握し、その⽣産現場も視察できたことは、今後の計画推進にとって大きな成果と言えます。点を置く必要があり、今後は工場設置スケジュールなど具体的な計画が必要となると思われます。 しかしながら、今回渡航で次のような課題もクローズアップされ、課題解決に向けて同時に進めていく必要があります。①コミュニケーション能力の向上 東南アジアで航空機関連の事業を展開していくためには、提案書作成、見積作成、契約書類作成など英語の能力が問われるため、今後スタッフの英語⼒向上に向けた体制整備が急務です。②品質保証体制の充実 航空機関連部品においては、全数・全個所検査が必要で⼀つのミスも許されない状況です。⼈材・体制・機材を含め、それらに対する整備が必要となります。③技術者教育の充実 海外で品質保証体制を確立していくためには現地スタッフを日本と同様に管理していく必要があり、海外展開に向けた人材育成が必要となります。 F/S⽀援事業を実施する前と後では、⼈脈や関係機関とのつながりが強固となり、更には関連情報の量も増えてきました。今後は、それらを精査しながら当社の海外展開を着実に進めていこうと思っています。日系企業現地担当者より説明を受ける様子中 部

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