平成24年度F/S支援事業 事例集
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2134F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的①半導体メーカーの冷却装置に対するニーズの把握と当社製品の適合性を探索すること。②製品メンテナンスができ、長期の信頼関係構築が可能なパートナー企業を発見すること。■現地アポイント等 5営業日の渡航中に、台湾の半導体産業の上流から下流までの各企業(世界最大半導体メーカーからメンテナンス会社)、台湾政府系機関等を含めて25件のアポイントを得ることができました。 ■F/S実施内容と成果①半導体メーカーの冷却装置に対するニーズは、価格の安さと24時間365日の半導体装置全体の製品保証であり、半導体装置の一部として組み込まれる当社の低温域に対応可能な冷却装置へのニーズを確認することはできませんでした。しかし、半導体メーカーは検査工程を外部委託していること、半導体製造プロセスにおける後工程を専門で行う台湾企業が存在しているという新たな事実を発見しました。その為、新たな仮説とし F/Sを終えた率直な感想は、当社の技術は世界で通用することができるという実感を持つことができたことです。特に、最先端と思っていた台湾において、当社の制御系技術に関する説明を聞いた台湾の冷却装置メーカーやメンテナンス企業が一様に「びっくり」していた姿は深く印象に残っています。今まで、ニッチでオンリーワンを目指して技術を高め続けてきたことは、間違いではなかったと再認識しました。 今後、半導体産業は、ウエハーの直径が300mmから450mmへ拡大するというとても大きな技術革新が起こります。その時には、要求される技術レベルも格段に高くなることが予想され、当社の温度制御技術へのニーズが生まれてくるものと期待しています。 そして、台湾という市場は、私自身、昔はあまり興味がありませんでしたが、実際に台湾現地で多くの企業と商談する過程て、当社の冷却装置は、これらの検査メーカーや後工程メーカーの生産性のほかリードタイムを短縮する提案ができる可能性を感じました。②パートナー企業を発見する目的については、大きな収穫がありました。まずは、販売代理店候補となり得る複数社と商談した結果、台湾のみならず中国大陸や欧米の半導体メーカーにも強力な販路を持つ2社を継続商談先として発見することができました。両社とも当社の高性能冷却装置に高い関心を示しており、秘密保持契約を締結して継続した商談を行うことで合意できました。また、台湾での販売を進める上で、必ず必要となる現地でのメンテナンス企業とも複数社と交渉しました。メンテナンス企業の選定については、技術者の熟練度や工場の品質の高さ、そして技術盗用リスクの少なさ(コンプライアンスの高さ)を考慮しました。その結果、1社に絞り込み、こちらも交渉を継続することになりました。これは、実際に現地に行って責任者と会話し、工場を見学しないとわかりません。今回のF/Sでは、社長の他に品質管理の副社長と技術の責任者の2名を同行させていたため、様々な視点から対象企業を選定できました。で大変な親日国であり、人件費も安定しており、技術レベルも高く、とても魅力的な地域であると実感しました。さらに、中国大陸と強いネットワークを持つ台湾の販売会社や自由貿易協定(ECFA)による台湾と中国大陸との関税撤廃により、台湾を経由して中国大陸に進出するコスト効果を強く実感し、改めて台湾を見直しました。 私は、日頃から中小企業にとって一番の弱点は「営業」面だと感じています。中小機構のF/S支援事業で得られたメリットは、販路拡大等の営業面をフォローして頂いたことに大変感謝しています。 自社単独では、海外政府機関や現地の優良企業とのアポイントを取得することは難しく、中小機構の支援無くして、今回のような現地F/Sを実施することはとても出来なかったと思います。 中小機構の専門家によるF/S支援は、特に「実感」があります。この機会を活かすも無くすも、今後の活動が重要となります。継続して台湾への展開を進めていきたいと思います。③その他の実施内容としては、台湾経済部の管轄である『台日産業連携推進オフィス(TJPO)』や『工業技術研究院(ITRI)』といった政府系機関を訪問し、今後も継続して当社の台湾進出の現地支援を頂けることになりました。また、今回の現地F/Sでも台湾現地企業との仲介役を努めて頂いたり、当社の冷却装置の技術について大変高い関心を持って頂き、半導体分野以外の医療分野での活用可能性についての提案も受け、台湾における新たな可能性についても気づかせて頂きました。 台湾でのF/Sの成果は、海外展開事業計画の問題点がより明確になったこと、そして、パートナー企業の候補と台湾経済部の協力を取り付けたことです。その結果、台湾で様々な人脈を作ることができました。この人脈を大事にし、より強固にすることで、今後の展開は、自立して進めることができると思います。特に、今回のF/Sで確認できなかった半導体メーカーや検査メーカー等のニーズについて、しっかり確認する必要があります。と同時に、今回の台湾F/Sで発見したパートナー企業候補とは、秘密保持契約を締結した上で、継続した商談を進めていきたいと思います。担当専門家から一言加藤 裕功 本部(東京) 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー「将来の中国大陸を睨みながら、台湾を舞台にサプライヤーからニッチトップメーカーへの脱皮」という新戦略を導入する案件です。皆を引きつけて止まない魅力は、自動制御技術と人材と佐藤社長のリーダーシップです。F/Sは「事業可能性調査」とニュートラルな意味に訳されますが、心の内は、「この事業が絶対に成功するように支援する」でした。関 東

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