平成24年度F/S支援事業 事例集
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1534F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し担当専門家から一言星 文男 関東本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー■F/Sの目的 遼寧省の瀋陽市でモデル事業の立ち上げを検討するにあたり、今回のF/Sでは次の4項目に絞って調査を行うことにいたしました。①市政府当局が把握している廃油の排出量、環境改善事業に対する許認可や支援態勢の確認。②自動車組立工場や印刷工場など現場での廃油排出量と処理方法の実態調査。③廃油回収事業者経由で調達可能な廃油の種類と価格及び再生油販売ルートの確認。④合弁相手候補との意見交換■現地訪問アポイント等 現地への渡航前に、訪問先へのアポイントの連絡を行いましたが、交通局(行政機関)、自動車組立工場、印刷工場、再生重油工場、廃油回収業者、合弁相手候補など、順調に取得できました。しかしながら、出発直前に尖閣諸島問題に絡む反日デモが中国各地で発生し、アポイントのキャンセルや日程変更の申し出が相次ぎ、さらには、渡航時期の再考も検討課題に 安定的な事業運営には、仕入と販売の安定的なルート確保をした上で生産計画を策定する必要がありました。また、価格決定には、廃油の組成分析に合せた回収価格を決め、収益性の確保に努める必要がありました。それらのことを具体的に再確認でき、その対応策として今後以下の内容を詰めております。①事業を安定的に稼働させるために、中環境問題との取り組みは、やらなければならないと思いながら、主に費用面がネックとなり、新興国では中々進まないのが実態です。とりわけ、中国は国土も人口も巨大で、政府の指導が隅々まで浸透するには、大変な労力と時間がかかります。当社は、民間の立場で事業を通して環境問題に長年取り組んでこられました。中国でも事業として成り立つことを示せれば、パイオニア的存在となります。この事業は社会的な意義が大きいので、是非とも成功して日中両国の架橋的存在になって頂けたらと思います。上る事態となりました。ただ、当社としては、パートナー候補などからの現地情報を分析した結果、「慎重な行動を取っていれば身の安全に支障はない。」と判断し、訪問先一部変更等のアポイントの取り直しも可能となったことから、9月17日からの5日間で渡航することを決意しました。■F/S実施内容と成果 今回のF/S調査渡航は、9月18日に瀋陽市に於いてデモが発生する等不穏な空気が漂う中で実施しましたが、現地で実際に面談した先は全て、当社事業に対する支援姿勢を明確に示して下さいました。このことは、事業環境を把握する上で最大の収穫であり、大変勇気づけられました。 調査確認事項であった、「本事業の原料となる廃棄油の発生量・回収量」、「製品となる再生油の取引価格」等の現地確認については、多岐にわたる訪問先・面談先から情報を収集。廃棄物処理免許を持っていない違法業者が回収するような実態情報も入手できました。また、回収された廃棄油は様々な品質が存在し、その価格も用途別で異なるという事が判明しました。加えて、廃棄油の出所別・販売先別の情報と共に一部サンプル品も手に入れる事ができました。 渡航前まで、検討していた潤滑油や重油という用途に加え、コンクリート剥離剤、その他化成品向けなどの需要がある事、タイヤを原料とした事業展開の可能性がある事、なども確認できました。また、瀋陽市近郊に日本企業用のリサイクル事業団地を計画すれば、市政府も前向きに検討する可能性もあるとの情報も入手できました。現行指定されている遠方のリサイクルセンターに比べ、当社の事業運営に極めて有利となるので、リサイクル事業の仲間を誘うことも検討しています。国現状に応じた最適な回収システムと再生品の販売システムを構築。②競争力をアップするため、原料回収費用、物流費用、生産効率改善等、コスト削減のための工夫。③中国で人気がある再生ディーゼル、利益が高いエンジンオイル等の潤滑油の再生は日本ではほとんど行われていないことから、既存の再生重油の技術をベースとした応用技術の開発。④確実度が高い情報を収集するために現地で更に人脈を広げること。⑤現地の生産で核となる中国人技術者の獲得と育成。 目下の所、これらの基礎情報を現地の調査会社経由で入手すべく段取りを進めております。そのことから、中小機構の専門家とも相談しながら、踏み込んだ事業計画を策定していきます。 中小機構のF/S支援事業に応募したタイミングは、当社の中国人友人ルートと並行して、同パートナー候補を通じて、この様な情報収集を手探りで行っていた時でした。中小機構との打合せを通じて、中現地企業との面談風景国当局の環境行政の具体的な内容と法令関係、執行状況を明確にする事ができました。また、その事で、本事業に与えるインパクトを認識することは元より、投入資金の規模と現地での資金調達、製品別販売ルート、パートナーとの業務分担、設備の選択と工場建設現場の選定、人材の確保等、さまざまな課題を一つひとつ把握し明確に認識できるようになってきました。関 東

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