平成24年度F/S支援事業 事例集
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1134F/Sの目的と実施内容及び成果等今後の見通し■F/Sの目的 中国への生産拠点の設立計画を進めていくにあたり、中小機構のF/S支援事業を活用。渡航前の調査および現地渡航調査では、下記の項目を目的に設定し、推進いたしました。①従来までの資料調査や現地調査してきた内容を更にブラッシュアップ。計画の精度を上げることにより中国進出事業の実現性を高める。②中国小型建機市場の最新動向、現地調達部品の市場性、工場予定地のインフラ整備状況、部品輸出入を含めた最適物流ルート確立の為に調査する。③中国での新会社設立の必要手続き及び現地の賃金や社会保険制度等を調査する。■現地訪問先と調査内容 現地調査は、2012年6月18日から5日間で実施。それぞれの目的に沿って下記の通り企業や機関を訪問してきました。①日系建機メーカー: 小型建機市場の最新動向調査②日系・中国鋼材メーカー: 調達部品の市場性調査③中国工具メーカー: 現地製切削工具の調達可能性調査④日本自動車部品工業団地: インフラ整備状況調査進出候補地①日系機械メーカー: 工業団地に関する意見交換②鎮江市大港、日系メーカー: 今回のF/Sを実施した事により、課題点や疑問点が明確化できましたので、中国丹陽市への生産拠点進出を具体化させる事にしました。 なお、現在までの進捗状況や現地法人の概要は右記の通りです。 現地工場のスムーズな立ち上げ、工場見学の軌道化をするために、今後とも中小機構の支援制度を利用していきます。 最適物流ルート調査③上海JETRO: 新会社設立手続きや賃金等の調査■F/S実施内容と成果 日系建機メーカーの訪問調査では、中国国内の建設機械市場の動向、特に最新の小型建機に関する市場動向などを確認することができました。F/S実施前には、中国国内の各地で都市化が進展しているので「建機市場の需要は増加する」との楽観的な予想をしておりましたが、実際は、異なっておりました。中央政府から地方都市に財政資金が行き届いていない事や景気上昇の勢いが若干減少したために需要が鈍化している事など、新たな市場状況を把握できました。そのことを受け、今後の需要動向には、上昇のタイミングを逸しないように、注意していく必要があるとの方針を決定しました。また、中国進出に関する投資額は、当初から多額計上せず、なるべくミニマムに抑えながら行うべきである、という判断に達しました。 材料や資材に関しては、現地調達となる可能性もあるので、十分な品質確認が必要と考えていました。現地の鋼材メーカーや工具メーカーを訪問調査し、現地調達できる材料や資材の種類および活用の可能性などを中心に状況把握いたしました。主要材料となるローラーの鍛造素材やピンの丸棒、加工工具となる切削の刃先は、現地メーカーからの調達品でも十分活用に耐えうる材質であり、価格面から調達メリットがあることの確認ができました。 進出候補地として考えている工業団地の視察では、当初計画に比べ、水道・ガス・通信線のインフラ整備の遅延が発生している事が判明し、生産開始時期等のスケジュールを見直すことになりました。 また、建屋を見学した際、事務所・会議室・更衣室等のレイアウトについて、中小機構の専門家から現地で具体的なアドバイスを受けることができました。内装についても、工場管理の観点から事務所から現場が一望できる窓を設置した方が良い事や、各施設は現場管理や物流を十分考慮した配置にすることが必要であるなどの説明を受けました。 物流ルートの確認には、最寄りの水揚げ港となる鎮江大港の視察や、現地近隣の既存進出済み日系企業に訪問。輸入部品の陸揚げと輸出製品の積出しには、①上海港より鎮江港の方が丹陽からの陸送距離が短い分だけ輸送費が安くなる事。②上海港で鎮江港行きの船荷の積替えが必要となる事から物流期間が約2~3日程長くなる事などの情報を確認できました。工場稼働後の生産計画や販売計画を策定する際、物流コストを抑制するには、物流期間を数日長めに反映させる必要があることを認識しました。 現地の賃金事情については、上海JETROに訪問し、各都市間の具体的資料を入手。地域差や制度の違いを確認できました。進出予定候補地である丹陽市の平均賃金は2,893元/月で江蘇省全体平均より15%程度低く、労務コストとしては良好な水準にある事を確認できました。担当専門家から一言蛭間 康夫 関東本部 海外販路開拓支援 シニアアドバイザー都市化率が50%を越え、都市型土木工事の進展とともに小型建機の需要が増加している現在の中国市場ではあるがリスクもあります。各建機メーカーが既に中国現地生産を行っている中で、当社が長年培った技術を携えての中国進出は、中国市場のみならず、日本を含むグローバル供給基地の一つとして期待されるでしょう。関 東■現地法人(新会社)設立(工場建屋整備済み)従業員採用・教育・研修:2013年1~5月設備設置:2013年1~4月試作生産:2013年2月量 産:2013年6月■現地法人概要資本金:2億円建屋面積:1500㎡人 員:9名■生産工程概要機械加工→高周波焼入→研磨→組立→塗装■製品建設機械足回り部品/ローラー

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