平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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97関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越展示会で、アクロバティックな技を披露する“KENDAMA”が人気となり、同社にも海外からの問い合わせが増え始めた。それを機に、梅津雄治社長は当時発売したばかりの競技用けん玉「大空」を海外向けに改良したいと考え、工場長を務める兄の鈴木良一氏とともに開発を始めた。森林組合とタッグを組みけん玉に適した国産材を確保 高度な技をこなせるけん玉を作るには、加工の精度に加え、徹底した木材の管理が求められる。けん玉の材料となる国産のブナは、粘り強さがあり、中でも山形県産は木目が白く美しい。しかし、けん玉に適した木材の確保は難しく、地元の民有林の情報が集まる森林組合との連携が欠かせない。 そんな折、公益社団法人 やまがた農業支援センターが「やまがた農商工連携ファンド」を平成21年度から開始するとの情報を得て、以前から取引のあった西置賜ふるさと森林組合とともに、助成金を申請。県産材を生かした競技用けん玉の海外展開を目指す同社の将来性が見込まれ、採択された。 最初に取り組んだのは贈答用の木箱の製作だった。海外での販売は国内よりも価格が上がるため、木箱に入れることで付加価値を高めるのが狙いだ。西置賜ふるさと森林組合と連絡を取り合い、良質な木材でけん玉作りに取り組めたと梅津氏は語る。デザインと安全基準を見直し世界40ヵ国以上に販路を拡大 さらに、海外のバイヤーとの商談の機会を求めて、国際雑貨EXPOにも出展。日本独自の文化であるけん玉競技の普及を目的に、取扱説明書の英語翻訳を行った。また、パフォーマンスを重視する海外では、よりクールなデザインが求められることを実感した梅津氏は、当時、赤・青・緑の単色かつ無地しか競技用けん玉として認めていなかった日本けん玉協会の本部に、基準の改定を申し出た。 その後、世界的にも厳しい安全認証「CPSIA」の取得を目指し、塗料の材質を変更するなどして改良を重ねた結果、助成期間終了後の平成23年に見事基準をクリア。アジア圏にも販路を広げた競技用けん玉「大空」は、「COOL JAPAN」を象徴する商品として、今や世界40ヵ国以上で販売されている。 平成27年にはこれまでの功績が評価され、「第6回ものづくり日本大賞」において、東北経済産業局長賞の海外展開部門を受賞。今後は4年後に控えた東京オリンピックをきっかけに、幅広い分野とコラボレーションしながら、日本のけん玉文化を次世代に受け継ぐための土壌づくりを目指す。森林組合と連携を図り、競技用けん玉に適した高品質の県産のブナ材、サクラ材の確保が実現した。海外向け商品の開発に向け、英語版の資料を作成し展示会に出展。海外バイヤーからの情報収集をもとに、デザインと安全性の向上を図り信頼を獲得した。今後の事業展開事業成功のポイント海外発の「エクストリームけん玉」が話題となり、アパレルショップでの展示販売や人気ブランドとのコラボレーションなど、海外での評価が日本での需要増に結び付いている。一過性のブームで終わらせないよう、けん玉の魅力を伝える機会を増やしていきたい。梅うめ つ ゆう じ津雄治渡わたなべ部三みきお喜夫有限会社山形工房 代表取締役社長左から西置賜ふるさと森林組合 課長補佐☎023-641-1105公益財団法人 やまがた農業支援センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!同社は、競技用けん玉生産“日本一”に認定。また、ウッドデザイン賞受賞等、輝かしい実績を重ねており、地域活性化へも国内外のイベント等へ積極的に参加する等の取り組みが高く評価されると思われる。今後とも代々受け継いできた伝統と現代的な技術を生かしての取組みに期待が寄せられる。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)小売販売店公益財団法人 やまがた農業支援センター支 援連携体ブナやサクラを使用した「競技用けん玉 大空 ソリッドカラー」。玩具安全基準ST試験に合格している。公益財団法人 やまがた農業支援センター農商工連携型地域中小企業応援ファンド販売・販路の拡大連 携有限会社山形工房西置賜ふるさと森林組合競技用けん玉「大空」の製作および販売木材の供給中小企業等農林漁業者

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