平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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93関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越た。こうして、農業者が中心となり、ライバル店3店が手を組んだ。4者は、西わらびねっ粉だけを使用したわらび餅の開発を進めるため、“わらび餅の里づくり協議会”を結成。同時期に申請した「いわて農商工連携ファンド」に採択され、平成26年2月から助成事業をスタートさせた。希少なワラビ由来デンプンを100%使ったわらび餅の特徴 ワラビの根を掘り起こしてデンプンを取る作業には非常に労力がかかる。そのためワラビ由来デンプン100%のわらび粉は市場にほとんど見られない。広く流通しているのは“わらび餅粉”と呼ばれるもので、サツマイモなどから取ったデンプンが主成分だ。ワラビ由来のデンプンは入っていてもごくわずか。まったく入っていないものも多いという。ワラビ由来デンプン100%のわらび粉でつくったわらび餅はとても高価で、黒っぽい色や琥珀色、飴色をしている。消費期限が早く、冷蔵すると硬くなって風味が落ちるという特徴もある。助成金を活用した新商品開発町の魅力を伝えるわらび餅 西和賀町の3つの菓子店、有限会社団平、工藤菓子店、お菓子処たかはしでは、貴重な材料である西わらびねっ粉をふんだんに使えるとあって新商品開発に力が入った。助成金を活用し、京都などに足を運んで製造方法や味の研究を行ったときには、西わらびねっ粉の品質の高さに改めて気づき、それぞれが培ってきた菓子製造の技術にも「負けていない」と自信をもつことができた。その後、3店による技術交換が行われた。開発するわらび餅は冷凍商品とすることが決まっていたので、解凍の際風味が落ちることを防ぐための試行錯誤がとくに繰り返された。こうして、それぞれが工夫を凝らした新商品が完成した。一方、西わらびねっ粉の製造と研究を進めてきたやまに農産では、商品開発の間、助成金を用いて西わらびねっ粉の増産と精製技術の向上に取り組んだ。さらに、専門家への謝礼やポスター、リーフレットの作成など販路拡大のための費用にも助成金が使われた。 平成26年10月2日、三者三様のわらび餅が一斉に発売された。各商品の品質の高さに加え、ライバル店の連携ということでメディアにも多く取り上げられ、岩手県内では広く知られるようになった。観光客の反応もよく、各店のほかの商品の売上向上にもつながった。西わらびねっ粉だけを使用したわらび餅は、現在、西和賀町の魅力を伝える商品の1つとなっ地域の交流人口を増やしたいという共通の目的をもって事業を開始。この地域ならではの材料を使い、ほかにはない新商品の開発を目指したことでライバル店同士の一致団結を可能とした。役割分担がしっかりできており、お互いにメリットのある連携ともなった。今後の事業展開事業成功のポイント連携した4者によるわらび餅の里づくり協議会の活動は今後も続けていき、西和賀町に交流人口を増やすためにできることを一緒にしていきたいと考えている。髙たかはしまさき橋雅樹工くどうまさみち藤正道高たかはしいくこ橋医久子高たかはしくみこ橋久美子有限会社団平代表取締役工藤菓子店やまに農産株式会社代表取締役お菓子処たかはし☎019-631-3820公益財団法人 いわて産業振興センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!独特の粘りなどが特徴で県内外から高い評価を得ている西わらび。西わらび粉100%わらび餅は話題性も高く、地域振興にもつながるよう期待している。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)公益財団法人 いわて産業振興センター農林漁業者中小企業等連携体わらび餅の里づくり協議会支 援有限会社団平/工藤菓子店/お菓子処たかはし西わらびねっ粉100%のわらび餅の開発、製造、販売やまに農産株式会社西わらびの生産、西わらびねっ粉の製造と販売、増産と採取精製率向上のための研究消費者店舗販売、インターネットなどの通販、催事など販売やまに農産の“西わらび”。粘り成分が豊富で、生でも甘みを感じるほどアクが少ない。公益財団法人 いわて産業振興センター農商工連携型地域中小企業応援ファンド団平での製造風景。西わらびねっ粉だけのわらび餅づくりは火加減や練り加減などが非常に難しく、代表取締役自らが作業を行う。

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