平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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91関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越連携農業者あづまとの出会いついに形となったクレヨン あづまの代表理事・三上正二氏は、30年ほど前にナガイモの真空パック加工を始めた“農業の6次産業化”のパイオニアだ。野菜類のパウダー加工は10年ほど前から始め、ノウハウの蓄積量も豊富である。三上氏のモットーは、“難しいと思った話でもすぐに断るのではなく、とにかく取り組んでみる”ということ。安全、安心、高品質なあづまの野菜パウダーを使って、食べ物ではなくクレヨンをつくるという、木村氏からもち込まれた前代未聞の話にも、すぐに協力することを決めた。 木村氏は使用野菜について三上氏に相談。主に、食べられるのに規格外として廃棄されるものや、出荷時にカットされる部分を使うことにした。25色ほど試作し、そのなかから10色を選択。野菜ならではの色にこだわり、“青”を入れることを諦めた。また、クレヨン製造を行っている会社ともつながり、米を原料とするライスワックスや口に入れても安全な顔料の使用を決めた。本業であるデザインをはじめ、不慣れな原価計算などメーカーとしてやらなければいけないことも従業員の力を借りてこなし、構想していたクレヨンを商品の形にしていった。そして平成26年2月、発売開始直前の第1弾商品「おやさいクレヨンseason1」を、東京で行われた展示会に出展。初日にテレビ取材を受けたことで一気に知名度を上げ、予想以上の大きな反響を呼んだ。第1弾の商品が早々に完売販路拡大などに助成金を活用 平成26年3月、「おやさいクレヨンvegetabo」を発売。テレビの影響もあり早々に完売すると、木村氏はさっそく第2弾を開発。新色を取り入れて5月に発売を開始した。9月には“mizuiro株式会社”を設立し、法人としての活動をスタートさせた。 また、あづまと連携体を組み、「あおもり農商工連携支援基金」に申請。同事業については、平成26、27年度分に採択されている。助成金は、「おやさいクレヨン」シリーズの販路拡大を目的とする展示会への出展費用を中心に、新色やクレヨン以外の新商品の開発などにも使われた。技術的な相談や検査など、資金面以外にも青森県産業技術センターのバックアップを受け、平成26年11月に事業化を達成している。「おやさいクレヨン」シリーズは第4弾に続き、平成28年6月に定番セットである「おやさいクレヨンStandard」が発売された。順調に売上を伸ばすmizuiroでは、現在国内外への販路の拡大に合わせて、会社の体制を整えながら事業を推し進めている。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)消費者野菜パウダーの販売国内販売店海外法人加工会社など県外の製造会社地方独立行政法人 青森県産業技術センター支 援mizuiro株式会社「おやさいクレヨン」の企画、開発、販売販 売販 売販 売販 売販 売クレヨンの製造材料の加工、販売☎0172-52-4319地方独立行政法人 青森県産業技術センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!両者の独創的なアイディアや優れた技術を活かして、県産野菜のパウダーを使用したクレヨンを開発したもので、農商工連携の強みが発揮されている取組である。今後も様々な連携を活かして事業を拡大していくことを期待している。事業成功のポイント木きむら村尚なおこ子三みかみ上正しょうじ二mizuiro株式会社代表取締役農事組合法人あづま代表理事今後の事業展開「おやさいクレヨン」については、より周知を図り、海外展開も進めていく。また、“親子の時間をデザインする”という当社のコンセプトに従い、子ども向けの文具以外の保護者向け商品の開発も視野に入れている。農事組合法人あづま農産物の生産・加工・販売・調達、野菜パウダーの製造、販売農林漁業者中小企業等多くの失敗を含む積み重ねから生み出され、長年の間に蓄積された農業者がもつさまざまなノウハウが、中小企業者による“野菜を使ったクレヨン”という斬新なアイデアを商品化する際の強力な後押しとなった。地方独立行政法人 青森県産業技術センター農商工連携型地域中小企業応援ファンドあづまの野菜パウダー。原料は野菜のみ。安全、安心な食材として広く活用されている。「おやさいクレヨン」の製造風景。完成間際のかぼちゃのパウダーを使ったクレヨン。

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