平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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85関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越世界に誇る技術力を武器に大型LED照明の開発に挑戦 そもそも同社はなぜ大型LED照明の開発に乗り出すことになったのか。同社は大手総合電機メーカーの開発支援会社として1980年に神奈川で設立。1993年には鹿児島に居を移し、受託製造を行っていた。ところが、リーマン・ショックの煽りを受け、委託メーカーの鹿児島工場が閉鎖。撤退も脳裏をよぎったが、当時いた60人ほどの従業員を路頭に迷わせるわけにはいかないと考えた代表取締役社長の藤井敏氏は、「日本の技術は世界一だ。我々は技術に自信がある。大手に頼るのではなく、自分たちで製品を作ろう」と一念発起。当時手がけていた液晶テレビやプラズマテレビのディスプレイパネルを発展させた、“光るデバイス”の開発を決断した。そこで白羽の矢を立てたのが、まだ大手の参入も少なく、普及しているとは言いがたい状態だった大型LED照明だったのである。さらなる製品の改良や販路開拓でLEDによる太陽光の提供を目指す 大手メーカーを退職したエンジニアを集め、さっそく試作品の開発に取り掛かる一方、国や県など、さまざまな支援を頼り資金を集めた。同社が開発しようとする大型LED照明の将来性、あるいは同社のもつ技術に対する自信の高さが功を奏し、協力してくれる企業や研究機関は少なくなかった。 平成24年より3年間、かごしま産業支援センターより「中核的企業創出プログラム事業」の助成を受けた同社は、開発した880WのLED照明で発生する高温に対処するため、放熱装置であるヒートパイプの開発に取り組んだ。翌年に力を入れたのは販促ツールの作成。海外の展示会に製品を出品することも増えてきたため、英語版のタペストリーを作ったり、同社製品を「ライジングジェイ」とブランド化したり、幅広い客層へアピールできるようにした。3年目には、一般に普及している1000Wの水銀灯に置き換えることのできる320W製品の改良に挑戦。ベースプレートからフィンへと熱を伝える接触面をネジ留めから噛みこみ式に改良することで、小型化、軽量化、低価格化に成功している。 藤井社長の目指すところは、生命体すべてが必要とする太陽光をLEDによって提供できるようにすること。将来、人類が直面するであろう食糧危機を前に、どんな環境下でも農作物を育てられるようにすることだ。同社の挑戦はまだ始まったばかりといえよう。 公益財団法人 かごしま産業支援センタードームや工場、学校の体育館など支 援交和電気産業株式会社代表取締役お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!同社の製品は、単一光源方式で広い配光角と青白さと眩しさを抑えた光を実現しており、経済団体等の各種表彰を受賞するなど高く評価されている。また、同社の取り組みは、大手企業の撤退が相次いだ中にあって、雇用創出・地域活性化につながるものとなった。今後は、農業・漁業分野などへの更なる展開を期待したい。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)多岐にわたる藤井社長の豊富なアイデアを、元大手メーカーの技術者たちが短い期間で実現していくというトップダウン方式が、同社開発の可能性をさらに広げている。今後の事業展開事業成功のポイント遠くまで光が届き、魚群の視感が得やすいと好評な集魚用LED照明は、鹿児島大学との共同開発で実現した。同製品のような細かいニーズに応えた幅広いLED照明を今後も開発していく。藤ふじい井敏さとし☎099-219-1270公益財団法人 かごしま産業支援センター販 売大型LED照明の設計・生産・販売交和電気産業株式会社モジュールから筐体の開発までを一貫生産しているため、農業用、水産用など幅広いタイプの照明を開発できる環境にある。320W製品は、改良でネジ止めする工程が減り、作業の効率化にも成功している公益財団法人 かごしま産業支援センター地域中小企業応援ファンド

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