平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
79/142

77関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)各種企業公益財団法人佐賀県地域産業支援センター生産ロットが大きい製品では、材料のロスを大幅に下げることができる。 このハイブリッド金型は、プレスする製品の特性に合わせて設計・開発を行う。大手企業のプロジェクトとなれば、1案件に2,500万円ほどの開発費がつくという。電機メーカーや研究機関の協力により、試作品が完成 構想は長年温め続けてきた。図面も引いた。しかし、受注を確保するためには、試作品が不可欠だった。 ゼロからのものづくりにはお金がかかる。聖徳ゼロテックの代表取締役社長・古賀氏は、まず手始めに、経済産業省が行う「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」に補助金の申請をした。残念ながら採択はならなかったが、申請の過程で、「さが中小企業応援基金」の存在を知った。 平成22年に同ファンドの採択を受けると、助成金を活用して電機メーカーや研究機関などへ協力を要請。ハイブリッド金型の開発がスタートした。サーボモーター部と制御部の開発は大阪の電機メーカーに、カムリング機構の技術指導は佐賀大学に、ミスグリップとセンサーのテストは独立行政法人(現、国立研究開発法人)産業技術総合研究所に依頼した。 もっとも苦戦したのが、機構部分の設計だ。μm単位の誤差ではあったが、金型内高速搬送位置決め機構による位置決めの精度がなかなか上がらず、コストばかりがかさんでいった。 シンプル化とコンパクト化を図りながら、いかにコストを下げていくか。こうした課題については、開発期間を終え、改良を重ねている現在も常に念頭に置いているという。 平成23年には試作品が完成したが、展示会場に持ち込むにはサイズが大きすぎるため、営業活動は映像やカタログを用いて行った。ハイブリッド金型を広告塔に確かな技術力をアピール 実物を持ち込まずとも、ハイブリッド金型は注目を浴びた。日本各地に拠点を置くさまざまな企業から、実物を一目見たいと視察チームが次々に訪れる。受注にはなかなか至らなかったが、試作品を見せ、工場を案内することで、聖徳ゼロテックの持つ技術力の高さを認識してもらうことはできた。 そのうち、ハイブリッド金型以外の受注が倍増した。古賀氏は、ハイブリッド金型効果をこう語る。「ハイブリッド金型を見に来ていただいたことがきっかけで、お付き合いが始まるケースが増えています。これほど精密な金型を作る会社ならば安心して任せられる、そう思っていただけるのはうれしい限りですね。ハイブリッド金型はいまや我が社の広告塔です」 無駄をゼロに、不満をゼロに、停滞をゼロに。そんな経営理念のもと、聖徳ゼロテックは今後も歩留まり率やメンテナビリティの向上といった、同社ならではの技術的付加価値を追求していくことだろう。聖徳ゼロテック株式会社「ハイブリッド金型」製造・販売電機メーカー佐賀大学独立行政法人産業技術総合研究所協 力協 力協 力東京ビッグサイトやインテックス大阪で開催される金型加工技術展「インターモールド」に参加。技術の集大成でもあるハイブリッド金型をPRしつつニーズを掘り起こした。ハイブリッド金型に込めた確かな技術と精度管理能力、中小企業ならではのフットワークの軽さで、着実に信頼を積み上げている。今後の事業展開事業成功のポイント常に新しい技術で勝負をし続けるためにも、コストダウンは急務。ハイブリッド金型については、今後も改良を重ねていく。また、どんな注文にも応えられるよう日頃から設備を整えているので、お客様の要望に対してスピーディに対応できるよう心がけたい。古こが賀鉄てつお夫聖徳ゼロテック株式会社代表取締役社長公益財団法人 佐賀県地域産業支援センター ☎0952-34-4411お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!開発した新商品自体が、技術力の向上や同社の他商品の売上増に繋がる珍しい事例です。これもひとえに社長の不断の努力と挑戦の賜物だと思います。販 売支 援金型製作やプレス製品に使用する精密成形プレス機。こうした環境からも、聖徳ゼロテックの技術力やこだわりがうかがい知れる。公益財団法人 佐賀県地域産業支援センター地域中小企業応援ファンド

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 79

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です