平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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71関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越味も吟味。こだわりを持つみかん農家から直接仕入れを行い、その結果、「まるごとみかん大福」は大ヒット商品へと成長していったのである。ヒット商品につづく柑橘系の新たな商品の開発に迫られる 地元の新聞のみならず、全国放送のテレビなどで何度となく紹介されることで話題となり、同店の新たな屋台骨となった「まるごとみかん大福」だったが、思わぬ弱点があった。それは、1つ1つ、丁寧に手作りする手間だった。8tものみかんを仕入れ、果皮、薄皮(じょうのう膜)などを4ヵ月ほどの期間で剥いていく。飛ぶように売れても、人件費が掛かり過ぎて、なかなか利益に結びつかない。そのため、新たなヒット商品の考案が必要となった。 そこで開発されたのが、愛媛の柑橘を使ったわらび餅であった。愛媛県は、温州、デコポン、いよかん、八朔、レモン等のさまざまな柑橘が一年中収穫できる全国1位の柑橘王国である。これからの柑橘を種類ごとに搾汁し、さらに「まるごとみかん大福」には使用できなかったサイズのみかんを利用することで、手間と無駄のない、新たな食感のわらび餅を作ったのである。ファンドを活用して新商品のブランド力をアップ この新商品を同店の新たな柱として売り出すべく活用したのが、「えひめ地域密着型ビジネス創出ファンド」であった。実は、益田氏は過去に一度、ファンドの利用経験があった。愛媛県庁に所属するデザイン担当職員から、「ファンドを使って商品デザインのブラッシュアップを図ってみないか?」と打診を受けていたのである。この時に「まるごとみかん大福」が「一福百果」というネーミングでブランド化され、それが類似商品との差別化や自社商品の魅力向上につながるといった相乗効果を実感したことから、益田氏は新商品開発にもファンドを利用することを即断。平成22年7月に採択された。 助成金は、新商品となるわらび餅「一福百彩」の開発やブランド力を高めるためにデザイン開発に活用された。交付後、「一福百果」を開発したメンバーが再集結し、企画会議を行い、すぐに「一福百彩」のロゴマークやデザインを制作。百貨店の催事に向けたタイトなスケジュールの中、わらび餅も手づくりだったため、どうしても間に合わないと悟った益田氏は、さらなる効率アップのために、助成金を使用し、容器にわらび餅を充填させるロータリー式充填機を導入。急ピッチで進められた「一福百彩」の商品展開であったが、充填機の導入で従業員の負担が軽減され、さらに「まるごとみかん大福/一福百果」との相乗効果で、好調な滑り出しとなった。今後も改良を重ね、さらなる売上増加を図るという。デザイナー、コピーライター、みかん農家、行政担当者等が、それぞれ膝をつき合わせ、その人となりをわかり合えたことから生まれたお互いの信頼関係。その結果、職種や立場を超えた開発チームとしての連携&協働体制を構築。そのような中でのファンド利用。それぞれの専門分野については、個々に全面的な信頼を寄せ、技術的な課題や極めて厳しい納期も乗り越えることができた。今後の事業展開事業成功のポイント「一福百彩」は消費者の生の声を反映し、随時、パッケージや味を少しずつ改良しながら販路を拡大し、売上増加を目指す。新たな試みとして、海外での催事にも参加したいと考えている。益ますだ田智としえ恵ビル・リオングレロー株式会社清光堂 代表取締役株式会社清光堂 工場長☎089-960-1100公益財団法人 えひめ産業振興財団お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!マーケットインの考え方(消費者の生の声を随時、聞き取り、それを商品開発・改良、デザイン開発・改良に反映)をもとにした取り組みが一福百果、一福百彩ヒットに繋がりました。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)左から消費者自社店舗、ホームページなどデザインオフィスみかん農家販売デザイン発注株式会社清光堂わらび餅「一福百彩」の開発・製造・販売みかん供給公益財団法人 えひめ産業振興財団愛媛県産業技術研究所支 援「まるごとみかん大福」の製造の模様。丹精を込めて手作業で行われる。助成金を利用して制作された「みかんわらび餅/一福百彩」のパッケージデザイン。公益財団法人 えひめ産業振興財団地域中小企業応援ファンド

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