平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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67関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越とに開発されたのが、無線タイプの「SOUND FLY」だ。無垢の木の特徴を最大限に生かすべく、デザイン性をとことん追求。スピーカー表面にあったスイッチ類をLEDタッチパネルに変更した。 見た目の美しさと音質のよさ、機能性が見事に調和した「SOUND FLY」シリーズは、現在、ロフトやイオンなどの木製雑貨コーナーや大型通販サイトなどで販売、売上を伸ばしている。最大の課題はバッテリーと基板助成事業に取り組み解決目指す 木製品の箱をつくるのは簡単だった。小学生の頃から趣味でスピーカーを製作し、大学では電子工学を学んだ吉崎氏にとっては、設計図を描く作業も苦ではなかった。それでも、課題はいくつか残っていた。もっとも苦戦したのは、電子部品の扱いだ。 有線タイプ開発時に、良音質を確保できる木材の最小限のサイズを割り出していたのだが、無線タイプの場合は、スピーカーに加えてバッテリーやBluetoothの基板も筐体内に収めなければならない。なんとか試作品を完成させたが、量産するには電子部品の仕入れの問題があった。 そこで試作機を持ち込み県や市に相談したところ、「とくしま経済飛躍ファンド」にたどり着いた。平成24年に採択されると、金融機関への信用も得ることができ、仕入れの問題はクリアした。試行錯誤の末、バッテリーや基板は筐体内にすっきり収まり、また、感度調節で苦戦したLEDタッチパネルの開発も完了し、量産にこぎつけることができた。 助成金はパッケージやカタログ制作にも活用した。公益財団法人 とくしま産業振興機構の担当者には定期的にアドバイスをもらい、事業化達成後は、徳島市地場産業振興協会が行うギフトショーや展示会を通じて販路を開拓。メディアの取材も増え、携帯端末向けの木製雑貨として注目を浴びた。今後も県の木材と伝統工芸を融合させた商品開発に取り組む 平成28年に再スタートを切った吉崎氏を支えるのは、長年雪見障子などをつくってきた熟練の職人たちだ。商品に込めた思いを吉崎氏はこう語る。「作業中や散歩中に良音質で音楽を聴きたいという思いから、開発に着手しました。ボリュームを絞っても良質の音が楽しめること、とりわけこの部分にこだわりました。最近ではラインアップの充実に向け、藍染めや阿波しじら織をあしらったタイプのものや、ヒノキ以外の木材を使ったモデルもリリースしています」。 今後はさらなる改良を加えつつ、ネット販売にも力を注ぐ予定だ。建具職人の技術と、吉崎氏が長年趣味で培った知識を有効活用し、他にはない小型木製スピーカーを誕生させた。徳島県から生まれたLEDライトをタッチパネルに採用し、無垢の木材と先端機器の融合でスタイリッシュな商品に仕上がった。スマートフォンやPC周辺機器に特化したとしても、木製雑貨の需要拡大が見込める。今後の事業展開事業成功のポイントスピーカーのラインアップを強化する一方、無垢の木材ならではの温もりが感じられるスマートフォン関連グッズや、LEDタッチパネル技術を用いた木製雑貨の企画・製造・販売を手がけたい。吉よしざきじゅんじ崎準二ヨシモク代表取締役☎088-654-0101公益財団法人 とくしま産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!徳島県の広報展示時にも使われる、軽量で使い勝手のいいスピーカーです。徳島県産のヒノキの美しさを損なわないタッチパネルの採用が画期的です。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)消費者公益財団法人 とくしま産業振興機構支 援販 売ヨシモク木製スピーカー「SOUND FLY」の開発・製造・販売大型量販店、セレクトショップ、ホームページなど「SOUND FLY L」(左)のタッチパネル面に触れると、LED照明がうっすらと浮かび上がる。無垢の木をくり抜かず、実際は音質向上のために6枚の板を組み合わせる。職人技が光る。公益財団法人 とくしま産業振興機構地域中小企業応援ファンド

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