平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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63関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越岩田社長1人しかいなかった。高まる需要に応えるには製造を半自動化し、生産量を上げなければならない。そこで、ファンドの利用を思いつき、平成25年、「ひろしまチャレンジ基金」に申請。事業の将来性が見込まれ、同年6月採択された。 助成金は主にけん玉の工作機械の製作に用いられた。けん玉の素となる木材は、木の種類は同じでも硬さや木目などが1本1本異なる。そのため、削りの工程では職人による微妙な力加減と削り具合の見極めが不可欠となる。また、けん玉のパーツによっても削り方を変えなくてはならない。これらをいかにコンピューターで識別・制御するかが最大の課題だった。 あいにく国内には木工用機械メーカーが少なく、また新規で製作するには多くの時間と費用がかかる。そこで、従来からある機械を改良・調整することで対応を図った。助成金の利用が生産効率を上げるためのヒントにつながった。 完成したけん玉は平成26年10月、「夢元無双」というブランド名で1本7,560円で売り出した。 製品の特長は主に4つある。1つは“工芸品としての美しさ”。玉を極限まで丸く磨き上げ、塗装の工夫で他社にはない個性的な色・輝きを実現した。インテリアやコレクションとしても楽しむことができる。 2つめは“高精度”。仮に大会本番で新品を使うことになっても、愛用品と同じ使い心地で普段通りのプレーができると言われるほど、製品ごとのブレが少ない。 3つめは“競技性”。軸の底部分を空洞にし、重心を高くするなど各所に工夫を施し、技が決まりやすくした。難しい技が決まる快感や、より高難度の技に挑戦する楽しさが味わえる。 4つめは“耐久性”。摩耗しやすい剣先を樹脂製にし、取り外し式にして交換可能にした。また、カラーバリエーションを用意し、カスタマイズを楽しめるようにした。 「夢元無双」はけん玉としては高価だが、値段以上の価値を認める人たちから支持され、年間5,000本を販売している。けん玉ワールドカップ開催で街の活性化に一役買う 岩田社長は“けん玉の町・廿日市市”を盛り上げるため、地元での「けん玉ワールドカップ」開催を発案。平成26年の第1回大会では、アジア各国やアメリカ等から3万人を集客した。前回大会では6万人を記録。けん玉を通じて街の活性化やPRにも大きく貢献している。 今後は、けん玉文化が未開拓のヨーロッパなどにも、けん玉の面白さを広める活動を行っていく予定だ。競技用けん玉としてのクオリティはもちろん、コレクションとしても楽しめる製品を開発。剣先を樹脂製にして耐久性を向上させるなど、他ブランドとは一線を画す斬新なアイデアでけん玉の可能性を切り拓いた。今後の事業展開事業成功のポイント工作機械の更なる改良を行い、半自動化を推進することで、地域の雇用問題にも貢献していく。職人としての仕事の負担が軽減する分、PR活動に力を注ぎ、けん玉の面白さを世界にアピールしていきたい。岩いわたかずま田知真株式会社イワタ木工代表取締役☎082-240-7701公益財団法人 ひろしま産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!国内で衰退しているけん玉だがブームとなった国外に着目し、世界の愛好者が求める商品を発信することで、地域産業への波及が期待できる提案と判断した。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)「けん玉ワールドカップ」は平成28年で第3回目。大会の様子を取り上げる世界のメディアも増えてきた。「夢元無双」を通じて平和の願いが世界に広がれば、との思いから、箱には広島平和記念公園の折り鶴の再生紙を採用。公益財団法人 ひろしま産業振興機構地域中小企業応援ファンド消費者けん玉専門ショップ、ホームページなど木工機械メーカーけん玉ワールドカップ販売公益財団法人 ひろしま産業振興機構支 援発 案工作機械の改良株式会社イワタ木工自社ブランドのけん玉「夢元無双」などの製造・販売

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