平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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57関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越県と鳥取大学との連携により土壌改良材の共同開発を実施 そんな折、鳥取県商工労働部の担当者から、同社の製品が「乾燥地に向いている」とのアドバイスを受け、鳥取大学乾燥地研究センターの井上光弘教授に相談。乾燥地における節水型野菜栽培システムの構築に可能性を感じ、公益財団法人 鳥取県産業振興機構による平成20年度の「とっとり次世代・地域資源産業育成ファンド」に申請。同社と鳥取県、鳥取大学からなる、産学官連携による「ポーラスα」の乾燥地農業向け用途開発がスタートした。 破砕・粉砕した使用済みガラスに、貝殻などを混ぜ、さらに高温焼成して生成される「ポーラスα」は、軽石のように多くの穴を持った固形となる。砂地を掘り下げて「ポーラスα」を敷き詰め、そこに砂を埋め戻すと、この層が水の浸透を抑制して土壌の保水性が上がるため、水資源の節約につながる。また、塩害の原因の1つである、塩分濃度の高い地下水の地表への上昇も防げるという優れものだ。さらに「ポーラスα」から重金属等の有害物質を溶け出しにくくする特許技術を有しており、土壌環境基準をクリア。環境にも優しい、安全・安心な商品となった。平成21年にモーリタニアの砂漠でのトマトの栽培実験では、なんと通常の2倍の収量を達成した。「ポーラスα」の活用により半分の水量で収量を22%拡大 その後も、ケニア、セネガルなど、さまざまな地域での試験・実証を重ね、さらなる研究・開発を進めた結果、用途に応じて「ポーラスα」を加工・調整することで、土壌改良材のほか、工場排水からリンやフッ素を除去・低減するための排水処理材や水質浄化材、悪臭除去材などとして、幅広い分野での活用が可能となった。 平成27年には、「独立行政法人国際協力機構(JICA)」から委託され、「モロッコ乾燥地節水型農業技術普及・実証事業」を開始。「国際連合工業開発機構(UNIDO)」のホームページでも、発展途上国に移転可能な優れた技術であるとして「ポーラスα」が紹介された。また、平成28年には、モロッコでのインゲンの試験栽培において、灌水する量を50%カットしながら、収量22%拡大を実現。その功績は国内外から大きな注目を集め、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」にも選定されるという結果につながった。 原材料となる廃ガラス瓶は、世界各地で安価に調達可能であることから、今後は「ポーラスα」の現地生産を検討しつつ、いずれは国内でも同製品を普及させたいと考えている。鳥取大学乾燥地研究センター産学官連携により、アフリカをはじめとした乾燥地での製品の試験・実証が実現し、さらなる研究・開発につながった。「ポーラスα」の技術開発にとどまらず、その特性を活用した多様な応用技術の開発に取り組んだ。今後の事業展開事業成功のポイント気候変動による少雨化が進む発展途上国などにおいて、同社のコア技術である「ポーラスα」を活用した土壌改良を行い、食糧を自給できる仕組みづくりに貢献していく。竹たけうちよしあき内義章株式会社鳥取再資源化研究所代表取締役☎0857-52-6704公益財団法人 鳥取県産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!商品は、まさにノウハウの蓄積。新たな付加価値の創出と事業を通じた社会貢献のため、諦めることなく努力された竹内様の熱意の結晶だと思います。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)砂漠・乾燥地のある海外など公益財団法人鳥取県産業振興機構一般家庭支 援共同開発株式会社鳥取再資源化研究所発泡ガラス「ポーラスα」の製造、「ポーラスα」を利用した応用技術の開発・販売廃ガラス瓶と中古タイヤによる灌水システム。地中に設置することで保水し通気性も高まる。研究所内にある「ポーラスα」の製造ライン。回収した廃ガラス瓶が資源に生まれ変わる。公益財団法人 鳥取県産業振興機構地域中小企業応援ファンド廃ガラス瓶回収販売・市場開拓

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