平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
57/142

55関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越チャー企業だ。かつてA-STEP(研究成果最適展開支援プログラム)の支援を受け、研究用に開発された初代「サンプリングモアレカメラ」は、大型で高価なものだった。4Dセンサーは、これの小型・軽量化に成功。販売用としてソフトウェアを再開発し、精度向上を目指した。研究用に開発したシステムを販売に向けて一から再構築 しかし、研究・開発にあたっては長い月日が必要だった。設立したばかりの新会社で、しかも研究員ばかりの所帯である。実入りよりも支出の方が多いのは自明だ。4Dセンサーではそれを見越して、「わかやま中小企業元気ファンド」に申請。平成24年に採択を受け、本格的に開発・事業化に乗り出した。 4Dセンサーが目をつけたのは、市販のカメラを利用することだ。従来品に比べて、市販のカメラでも使える4Dセンサー開発の「サンプリングモアレカメラ」は格段に小さい。また、従来の機器に比べて高熱を発しないため冷却用のファンが不要になり、重量的にも半分以下に収められた。さらに、従来品の高価な基板を省いたことは、ローコスト化にも直結している。そして、もっともこだわったのは、ソフトウェアの部分。使いやすさはもちろん、使う人に合わせたオプション対応を容易に行えるように改良した。ソフトウェアの研究開発を続けさらなる機能向上を目指す 販売開始後は、着実に引き合いが増えていった。点数的には決して多くはなかったが、1件契約が決まれば、「モアレ」の生成に必要な格子シートや格子フィルムといった消耗品も併せて購入される。事業化着手から4年の月日が経過した今も、売上の約7割は「サンプリングモアレカメラ」関連製品が占めているという。 4Dセンサー代表取締役社長の柾谷明大氏は今後の展開について、「同ソフトウェアの研究開発は、現在も継続して進めています。平成26年からは、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業『位相解析手法を用いたインフラ構造物用画像計測システムの研究開発』や、全国中小企業団体中央会の『ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金』などを活用。さらなる精度や機能性の向上を追求することで、事業拡大を図っていきたい」と語る。 産業用に留まらず、家庭用カメラも4次元へとシフトする時代が遠からずやってくると柾谷氏は予測する。「ゆくゆくは3次元、4次元形状計測の世界拠点として社会に貢献していきたい」と将来への希望を語った。市販のカメラを使い、小型化に成功。安価な機器で、高速・高精度解析を実現。「わかやま中小企業元気ファンド」の助成金で試作品を開発することができた。ソフトウェアにおいては汎用性を重視し、ユーザーへの細やかな対応を可能にした。「MIT Enterprise Forum of Japan」のファイナリスト賞をはじめとする数々の受賞歴も製品に対する信頼へとつながった。今後の事業展開事業成功のポイント当事業に続き、経済産業省のサポーティングインダストリー、NEDOなどの支援事業に次々と着手。橋梁・インフラ構造物の現場における計測により適したソフトウェアを開発しつつ、事業拡大を目指す。柾まさやあきひろ谷明大4Dセンサー株式会社代表取締役社長☎073-432-3412公益財団法人 わかやま産業振興財団お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!市販カメラで撮影したものを簡単な操作で測量が可能となったため、利用者にとってより早く・よりわかりやすく解析できるようになりました。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)公益財団法人わかやま産業振興財団支 援4Dセンサー株式会社「サンプリングモアレカメラ」の開発・販売各種企業展示会/ホームページなど販売国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)全国中小企業団体中央会支 援支 援国立大学法人 和歌山大学協 力橋の模型に貼られた、規則的に配列された点が「格子」のシートだ。市販のカメラが使用可能。複数台での同時計測にも対応している。公益財団法人 わかやま産業振興財団地域中小企業応援ファンド

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 57

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です