平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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47関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越開発時のジレンマは正確さと安全性の両立 開発がスタートしたのは、平成25年の春。学術的にも裏付けのあるものにしようと、県立恐竜博物館特別館長の東洋一氏に監修を依頼。恐竜の形状から植物のデザインに至るまで、きめ細かな指導を受けた。そんな中、開発スタッフが最も頭を悩ませたのが、「学術的正確性」と「遊具としての安全性」のバランスだった。骨格の形状や指の本数などの正確さを追求することは、一方で幼児が頭を挟み込むなど事故の原因にもつながるからだ。「当社では平素から、ジャクエツ・クオリティ(JQ:第6回キッズデザイン賞受賞)という独自の安全規準を定め、安心安全の商品開発に努めています。そのため、恐竜の頭部ひとつ作るにも、省略できる部分とできない部分がある。さらに、全体のデザインにも気を配る必要があるため、発泡スチロールを用いて作った実物大の模型を何度も修正しました」(徳本氏) “運動能力の向上”については、幼児体育が専門の早稲田大学人間科学学術院教授、前橋明氏に監修を依頼。尻尾に見立てた滑り台や、急こう配ネット、ゴム平均台などを備え、子どもたちが夢中になって遊ぶうちに「移動する」「バランスをとる」「操作する」「その場で力をコントロールする」といった4つの運動スキルを幅広く育むことができる。恐竜に関する知識を深めるため子ども向けのブックレットを製作 また、恐竜に関する知識や、遊具への理解を深める幼児向けブックレットも作成。「ディノワールド」を導入した幼稚園・保育園の園児たちに配布することとした。巻末には恐竜博物館の紹介コーナーも掲載。「恐竜の化石が福井の地域資源であることを親世代に知ってもらうことで、恐竜博物館への誘客につながれば」との思いも込められているという。 助成金は、新商品開発にあたっての資材購入費、全国で展示会を開催する際の会場借料・会場設営費、そしてブックレットの印刷製本費として活用された。 助成期間終了(平成27年3月末)時点の売上は60基、3億9,340万円。平成27年11月16日までの累計売上高は4億7,330万円と実績を伸ばしている。さらに、好評を受けて「ディノワールド」はシリーズ化され、平成28年6月現在「パート9」が発売中。受注ベースで累計約10億円のヒット商品となった。「東特別館長や前橋先生をはじめ、皆さんのご協力で完成した商品です。福井の地域資源をPRする意味でも、今後ますます発展させていきたいですね」(徳本氏)福井県立恐竜博物館の協力により、恐竜や古代植物の特徴をとらえたデザインを遊具に活かすことができた。販路開拓事業としてブックレットを作成したことで、幼稚園・保育園の施設長だけでなく園児・家庭に対しても大きな宣伝効果があり、かつ、恐竜博物館の周知にもつながった。また、幼児体育の専門家に監修を依頼したことで、この遊具で遊ぶことによる体力・運動能力向上を科学的にアピールすることができた。今後の事業展開事業成功のポイントより効果的に「ディノワールド」を使ってもらえるよう、園児の運動能力向上や生活習慣改善に焦点を当てた指導書をつくりたい。また、さらなるパーツ開発やバージョンアップを行うことで、さらに販路を拡大したい。徳とくもと たつろう本達郎株式会社ジャクエツ環境事業代表取締役社長☎0776-67-7400公益財団法人 ふくい産業支援センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!「ディノワールド」は、遊具本来の楽しさや安全性に加え、恐竜の学術的正確性を追求し、子供の運動能力や学習力の向上に寄与している。子供や保護者の視点で開発した商品であり、地域の発展にも大きく貢献している。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)各種引き合い/プロジェクト展示会への参加公益財団法人ふくい産業支援センター支 援株式会社ジャクエツ環境事業遊具「ディノワールド」の開発及び販売自社工場での組み立て作業のようす。安心安全にこだわる企業理念は高い評価を得ている。公益財団法人 ふくい産業支援センター地域中小企業応援ファンド福井県立恐竜博物館・早稲田大学協 力販売・市場開拓

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