平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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23関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越の原理を応用した可搬性マイクロ水力発電装置の開発だった。同社にとって初の試みとなる独自製品の開発にあたり、メールマガジンで目にした「いばらき産業大県創造基金」の「いばらきものづくり応援プログラム 産学官研究開発助成事業」に申請。平成21年度に採択され、HITS(日立地区産業支援センター)に紹介された茨城大学工学部との共同研究が実現することとなった。開発を進めていた最中、平成23年に東日本大震災が発生。社屋が震度6強の地震に見舞われ、11日間の断水と6日間の停電を経験した同社は、非常用発電機としての国内需要も視野に入れ、より一層開発への思いを強めていった。 こうして平成25年、落差を利用しない軽水力発電機「Cappa+++」が誕生。コンパクトな形状が評価され、同年、経済産業省の「グッドデザイン・ベスト100」に選出。なかでも特に優れた中小企業の製品開発に贈られる「グッドデザイン・ものづくりデザイン賞(中小企業庁長官賞)」を受賞した。地産地消型でエコな電力供給災害時の独立電源として期待「Cappa+++」は、幅832㎜、奥行き770㎜、高さ665㎜、全重量はたったの57kgしかない。非常に軽いため、大人2人で持ち運びができ、水流に沈めるだけで発電。開発当初は3枚羽根式だったプロペラを2枚羽根式に改良することで出力アップを実現し、幅1.1m、水深50cm以上、流速1.5~2.0m/sの用水路や河川であれば、天候に左右されずに24時間安定した電力の供給が可能だ。水車本体、制御機器、バッテリーを含めた基本システム価格は290万円。設置時に特別な工事が不要なため、従来の水力発電に比べて安価に導入ができる。定格出力は160W。LED電球の消費電力は約15W以下で、スマートフォンの充電も約6Wあれば可能なため、災害時の独立電源としても利用できるほか、売電を目的としない地産地消型の電源として、イベント時の水辺のライトアップや、防獣対策用の通電網などへの活用が見込まれている。また、「Cappa+++」を用いて「エコスクール」も実施するなど、子どもたちのエネルギー学習の教材としてのニーズも高まっている。海外の無電化地域での電力供給源としても期待されており、今後も国内外に向け、普及を図る。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)地方自治体、地域コミュニティなど物理学者として培った経験と同社の製造技術を結集させた上、茨城大学工学部との共同研究で製品改良を重ね、小型化を実現した。グッドデザイン賞の受賞をきっかけに、さまざまなメディアで紹介され、展示会でも多くの注目を集めた。公益財団法人茨城県中小企業振興公社今後の事業展開事業成功のポイント小型という利点を生かし、今後は環境保全活動に取り組んでいる国内の自治体や、発電所の建設が難しい海外の無電化地域への普及を目指したい。菊きくち池伯のりお夫株式会社茨城製作所代表取締役社長☎029-224-5317公益財団法人 茨城県中小企業振興公社お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!同社が、創業以来培ってきた発電機の製造技術を生かして開発した製品であり、新規性も高く、災害時の独立電源などの利用に期待が持てる。支 援販 売株式会社茨城製作所「Cappa+++」の開発・製造茨城大学工学部細い河川や用水路などの水の流れに入れるだけで発電ができる「Cappa+++」。「Cappa+++」を利用して、福島県只見町で開催したエコスクールの模様。公益財団法人 茨城県中小企業振興公社地域中小企業応援ファンド共同研究

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