平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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17関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越刺激装置の開発を念頭に置き、平成24年からは独立行政法人(現、国立研究開発法人)科学技術振興機構(JST)の支援を受けて研究を進めてきた。しかし、磁気刺激装置を使って脳の治療が行える医師はそれほど多くなく、そうした現状では装置の普及も難しい。より多くの麻痺患者に役立つよう、一般の病院の医療従事者でも扱える装置の製品化を考えるなかで、IFGは脳ではなく末梢神経を刺激する磁気装置の開発に転換。製品化に向けて舵を切った。 麻痺している部位に当てる「Path leader」の磁気刺激用コイルには、製品化するための課題がいくつかあった。その課題を解決し、より高性能な磁気刺激用コイルを開発するため、IFGの代表取締役・森和美氏は以前から情報を得ていた「宮城・仙台富県チャレンジ応援基金」を申請。平成26年4月に採択され、開発に取り組んだ。 まず、磁気コアの形状を見直し、小型のサイズを維持しながら、コイルに発生した熱を冷ますため空冷ファンを取り入れた。また、持ちやすさと動かしやすさを実現し使い勝手をよりよくするため、プロダクトデザインにも試行錯誤が繰り返され、アイロンのような持ち手がついた現在の形状に行きついた。材質もいくつか試し、光沢のないすべりにくいものが選ばれた。さらに、この事業の過程で得られた基幹技術は「連続磁気パルス発生装置」として特許出願し知財化。その際にかかった費用にも助成金が使われた。医療従事者と患者にメリット「Pathleader」の特長とは 「Pathleader」は、医療従事者と麻痺に苦しむ患者、両方のメリットを考えてつくられている。一般的な100V電源なので使う場所を選ばない。小型で軽量なことに加え、使用の際のトレーニングも必要ないため、多くの医療従事者が扱える。TMSではできないピンポイントの刺激や連続刺激が可能なことも大きな特長だ。また、電気刺激療法は痛みを伴い、電極を体に直接貼り付けて皮膚の表面を刺激するため、肌のトラブルも起こしやすい。その点「Pathleader」は痛みがない。服の上から皮膚の深部まで刺激することができるため、肌のトラブルとも無縁だ。患者の肉体的、精神的な負担を和らげ、つらいリハビリテーションを続けるための一助となるものでもある。 助成金を活用した高性能の磁気刺激用コイルの開発に成功した「Pathleader」は、平成27年に管理医療機器の認証を取得。リハビリテーションが必要な、国内外の脳卒中による四肢の麻痺患者に届けるため、「日本リハビリテーション医学会」での展示など、普及に向けて動き出している。東北大学(大学院医工学研究科)など代理店規制が多い医療機器の開発にはかなりの資金がかかる。「Pathleader」の開発についても今回の助成金ですべてをまかなうことは難しかった。しかし、「Pathleader」の一部である磁気刺激用コイルの開発ならと申請させていただいた。みやぎ産業振興機構のフォローもあり、開発事業者の立場からするととても使いやすい助成金だったことも大きなポイントだった。今後の事業展開事業成功のポイント現在、「Pathleader」を使ったリハビリテーションの効果について、東北大学に論文化を依頼している。今後は、脊髄や嚥下障害を対象とするなど、リハビリテーション分野においての磁気刺激装置のシリーズ展開を視野に入れていきたいと考えている。森もりかずみ和美株式会社IFG代表取締役☎022-225-6697公益財団法人 みやぎ産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!医療従事者と患者双方の利便性向上に着目し、この実現に向け、熱意と確かな技術をもって製品開発に取り組んだことが成功の要因と評価する。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)病院、医師がいる介護施設など公益財団法人みやぎ産業振興機構支 援協力販 売株式会社IFG「磁気刺激装置 Pathleader」用コイルの開発磁気コアなど、さまざまな部品で構成されている「Pathleader」の基板の組み立て風景。写真のように服の上から刺激を与えることができるのは「Pathleader」の特長のひとつ。公益財団法人 みやぎ産業振興機構地域中小企業応援ファンド

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