平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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133関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越調達、試作品製造のための設備の導入などが、ファンドを利用して行われた。 しかし、開発は順調ではなかった。ときには飲料のはずが、ゴムのように固まってしまうこともあった。転機が訪れたのは開発に着手してから1年目のことだ。宮崎県食品開発センターの支援を受けながら試作を重ね、ようやく乳飲料らしい製品ができたものの、今度は新製品としての魅力を見いだせていないという課題があった。しかし、「牛乳の約100倍の遊離アミノ酸が含まれているのは、すごいことです」というセンター職員のアドバイスが決め手になり、助成期間の終了間際に、「百ひゃくびゃくこうじ白糀」の試作品を完成させることができた。おいしさを追求することで消費者に受け入れられた 平成25年に開催された県主催の物産展で「百白糀」の試験販売が行われたが、都成氏はあまり乗り気でなかったと打ち明ける。「無料の試飲だとそこそこの評価なのですが、1本350円の商品はさっぱり売れませんでした。健康には良くても、あまりおいしくなかったのです」 麹菌を替えたり、製造工程を工夫するなど、地道な改良を加え続け、ようやく、すっきりと甘い、生乳で甘酒を作る製法によるジャパニーズヨーグルト「百白糀」を完成することができた。量産のための製造ラインの増設には「ものづくり補助金」、専任スタッフの雇用は「フードビジネス雇用拡大推進事業」を利用するなど、製品開発のフェーズに合わせた助成制度の活用も、開発の後押しとなった。 こうして誕生した「百白糀」は、試飲会や百貨店での物産展、各種展示会への出展など、積極的な活動が奏功し、「第1回ジャパンメイドビューティーアワード最優秀賞」を受賞。知名度は一気に高まっていった。“美容食品”として注目され企業との共同研究にもつながる 美容食品としても注目され始めた「百白糀」には、豊富なアミノ酸類が含まれている。企業や大学からの共同研究の問い合わせも増えている。「おいしさの秘密は“生乳”を使うことにあります。中小企業の規模だからこそ生乳が扱いやすいのです」と都成氏は強調する。原料を提供する石川牧場の石川氏は「生乳を使うので、これまで以上に品質には気をつけています。特に牛にストレスを与えないことを心がけています」と、「百白糀」向けの生乳について説明する。 現在、月産1万本を超えるまでに成長した「百白糀」は、海外からの問い合わせも増えている。消費者のニーズを丹念に捉えながら改良が加えられてきた「百白糀」の進化はこれからも続くだろう。ものづくり補助金フードビジネス雇用拡大推進事業ふるさと名物応援補助金宮崎県食品開発センター・宮崎大学みやざきフードビジネス相談ステーション事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)公益財団法人宮崎県産業振興機構支 援支 援支 援有限会社白水舎乳業百白糀の製造・販売石川牧場生乳の製造相談消費者販 売中小企業等農林漁業者支 援事業成功のポイント☎0985-74-3850公益財団法人 宮崎県産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!地元大学や県食品開発センターとの産学官連携で生まれた、牛乳に「糀菌」を使った日本初の牛乳甘酒。「百白糀」はアミノ酸を豊富に含んだ新しい乳飲料です。今後の事業展開賞味期限の延長や海外での販売などのニーズに応えていくため、商品改良を続けていく。「みやざきフードビジネス相談ステーション」を活用することで、商品開発のフェーズごとに適した助成制度が利用できた。試飲会や百貨店の催事などで、直接ユーザーの声を拾い上げ、商品開発にフィードバックした。山やまなかあきひで中章英有限会社 白水舎乳業新事業部マネージャー都となり成謙けんぞう三有限会社 白水舎乳業代表取締役石いしかわ川幸こうじ次石川牧場取締役左からストレスの少ない環境で飼育された乳牛からは、おいしい生乳が搾れる。公益財団法人 宮崎県産業振興機構農商工連携型地域中小企業応援ファンド発酵食品であるため、温度や湿度など厳重に管理されている。

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