平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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131関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越守られ続けてきたざぼんを使って新たな長崎スイーツの開発 西山神社の境内には、ざぼんが日本に伝来した際に植えられた原木が残っており、現在も子孫たちの手で守られている。この原木を守り、ざぼんの生産、原材料の提供、ざぼんを使った新商品の開発支援を行っているのが、長崎ザボン振興会である。彼らは「長崎こそ、ざぼん発祥の地」という誇りをもち、長崎ざぼんを再び広く知らしめようと日々活動している。 一方、長崎県産のびわを使ったゼリーを製造していた有限会社あじさいの代表取締役社長・保坂恵子氏は、びわゼリーに続く、長崎の土産物となる菓子を開発しようと奔走していた。そのような折に、得意先の紹介で出逢ったのが長崎ザボン振興会の中尾会長であり、ざぼんだった。保坂氏は、ざぼんを使ったスイーツを開発すべく、さまざまな助成事業のなかから「長崎県農商工連携ファンド」に申請。平成22年に採択され、開発が始まった。伝統の果実を使ったスイーツは世界のパティシエにも認められた 保坂氏は、長崎ザボン振興会から規格外のざぼんを買い取り、長年培ってきたびわゼリーの技術を駆使してざぼん独特の風味を生かしたゼリーを開発。ほどよい苦味を感じることができる商品となった。ところが、果肉をゼリーに使った後、皮が大量に余ってしまうという問題に直面した。せっかくざぼんを提供してもらっているのだから、規格外のざぼんも余す所無く使う事業にしなければ意味が無い。皮のざぼん漬は既にあり、これをなぞっても意味がない。そう考えた保坂氏は、ざぼんの皮をピールにしてチョコレートをまぶすことを考えた。ピール状にする際にある程度の水分を抜くため、日持ちもよくなる。こうして生まれたのが、チョコのビターな風味とざぼんの香りを味わうことのできる「長崎ザボンdeショコラ」であった。 助成金を使ったのは、パッケージデザインの制作。現代風に洗練されたデザインが採用された。また、試作段階では「長崎ザボンdeショコラ」は手付けでチョコをコーティングしていたが、助成金でエンローバーという設備をリースし、製造工程の研究を重ねることで量産体制を確立していった。 平成28年、「長崎ザボンdeショコラ」は、チョコレートの本場ベルギーで開催された国際味覚審査機構の審査会で優秀味覚賞を受賞。保坂氏は、世界屈指のシェフたちに認められた味を、さらに広く伝えていきたいと意気込んでいる。有限会社あじさい「長崎ざぼんゼリー」「長崎ザボンdeショコラ」の製造・販売長崎ザボン振興会ざぼんの生産・提供事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)消費者長崎県商工会連合会中小企業等農林漁業者販売ホームページなど☎095-824-5413長崎県商工会連合会お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!ざぼんの皮をチョコレートと合わせるという斬新な発想を、助成金活用により商品化することが出来た。今後は商品の販路開拓を支援していきたい。今後の事業展開事業成功のポイント本社を移転して生産規模を拡大したことで、事業の拡大が可能となった。今後もさまざまな商談会に参加し、さらなる販路の拡大に努めていく。地元産にこだわったことで、「国産」や「地元産」を求めるお客様に対するアピールになった。新商品開発をきっかけに県外商談会や催事にも多数参加し、県外のメーカーやバイヤーの方々との情報交換をさせていただいた。これにより新たな商品開発やこれまでなかった販路への取り組み、アワードへのチャレンジなど動いた分だけ新たな出会いや気づきがあり、今につながったと考える。保ほさか坂悠ゆうじ司有限会社あじさい支 援連携体ざぼんはボンタンとも呼ばれる大型の柑橘類。大きいものは重さ2kgにもなる。果肉と果汁をたっぷり使い、さっぱりとした口当たりの「長崎ざぼんゼリー」。長崎県商工会連合会農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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