平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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125関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越その高い栄養価も特長だ。長年にわたる研究開発の末、平成20年に産業化に成功。平成17年の輸入解禁と相まって、国内におけるブラッドオレンジの認知と人気は高まっていった。30年前は4人ほどだった生産者も、現在では約400人に膨れ上がっている。愛媛県の農商工連携ファンドの記念すべき第1号となる事業 そんな愛媛県で農商工連携助成事業が始まったのは平成22年度のこと。愛媛県は、この助成事業が円滑に進むよう、スタートさせる前年に県下の事業者や生産者に呼びかけ、現場見学会を開催している。 この会の目的は、普段顔を合わせる機会の少ない県内の事業者と生産者を引き合わせること。先述したみかん研究所や、愛媛県西予市で採れた特産品や加工品を数多く取り揃える道の駅「どんぶり館」などを視察した。この見学ツアーの中で出会ったのが、尾崎食品株式会社専務取締役の高橋道男氏と、株式会社笹源代表取締役社長の篠原勲氏だった。 両社は偶然にも、愛媛県が産地化に取り組んでいたブラッドオレンジを使った商品開発を考えていた。各々から事業化の相談を受けていた公益財団法人 えひめ産業振興財団の担当者は、両社の事業はマッチングできると考え、両社を再び引き合わせた。こうして、翌年にスタートとなる「えひめ農商工連携ファンド」の第1号事例のひとつとして、本事業は採択された。多種多様な柑橘類の産地愛媛で生まれた新たな商品 ブラッドオレンジは高木農園の高木信雄氏から提供されることになった。以前より高木氏と懇意にしていた高橋氏は、普通のオレンジとは違う、ブラッドオレンジの味や色に衝撃を受けていた。そこからアイデアを膨らませ、ブラッドオレンジの果肉を使ったジュース、ゼリー、七味唐辛子を開発。特にゼリーは、ブラッドオレンジを使ったものは珍しい上に、一般的なゼリーの果汁含有量が5%未満のところを、果実そのものの味わいが楽しめる60%の商品に仕上げた。 一方、愛媛産の食材を使ったラーメン店を経営する篠原氏は、柑橘類を使ったラーメンを模索し、ブラッドオレンジの調味料を思いついた。果肉を中心に開発する尾崎食品株式会社からブラッドオレンジの皮部分を譲り受けることになり、ラーメンに風味を加えるブラッドオレンジオイルを開発し、それを基にドレッシングを完成させた。 ブラッドオレンジを使って県の産業を盛り立てたいという各々の思惑が合致し、愛媛の柑橘産業に、新たな希望の光をもたらしている。現場見学会を始め、行政側から発信するさまざまな情報をキャッチして活用したこと。積極的に情報へのアンテナを立て、行動したことでファンドを知り、協業できる他業種の方と知り合うことができた。今後の事業展開事業成功のポイントゼリーは高級感あふれるパッケージにしたことで贈答品用として成功を収めている。ジャムやグミといった新たな商品開発も進んでおり、これらをもって百貨店や専門店などの販路をさらに広げていきたい。高たかはし橋道みちお男尾崎食品株式会社専務取締役篠しのはらいさお原勲株式会社笹源代表取締役高たかぎのぶお木信雄高木農園☎089-960-1100公益財団法人 えひめ産業振興財団お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!ブラッドオレンジの産地化を目指した動きとリンクした商品開発の取り組みであり、ファンドの趣旨に合致した事業です。現在も連携体としての活動が継続され、次なる新商品の誕生が期待されます。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)消費者農林漁業者中小企業等尾崎食品株式会社ブラッドオレンジの果肉を使ったジュース、ゼリー、七味唐辛子の開発・生産・販売株式会社笹源ブラッドオレンジの皮を使ったブラッドオレンジオイルの開発・生産・販売高木農園ブラッドオレンジの生産・提供連携体スーパー、自社店舗、ホームページなど販 売公益財団法人 えひめ産業振興財団支 援平成20年に国内初の産地化に成功したブラッドオレンジ。真っ赤な果実が特徴。ブラッドオレンジの果皮と果実を丸ごと搾り取る“粗搾り”と呼ばれる方法で搾汁している。公益財団法人 えひめ産業振興財団農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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