平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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121関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越販売には、県漁連の持つ販路を活用している。白身魚の特徴を生かした色とアレルゲンフリーで差別化 株式会社マリン大王が魚醤の開発に踏み切ったのは、各地のご当地魚醤に注目が集まり始めた頃だった。しかし、秋田のしょっつるや奥能登のいしるなど、伝統的な魚醤の二番煎じにはしたくないという思いがあった。 魚の種類も差別化の重要なポイントだが、株式会社マリン大王がこだわったのは安全性の部分だ。トレーサビリティによる原料管理はもちろんだが、通常の魚醤では魚の内臓に含まれる酵素を自然発酵に役立てるところを、株式会社マリン大王ではあえて内臓を除去することで、エビ・カニ類のアレルゲンフリーを目指した。また、白身魚の魚醤はめずらしかったため、その特徴を際立たせるべく、独特の魚醤臭さを抑え、さらに液色を薄くすることができた。エキス抽出というノウハウはあったが、こうした特色を生かすためには、発酵させる際の温度や期間、酵素の種類や量といった条件の設定に手間暇をかける必要があった。平成24年に採択された「徳島県農商工連携ファンド」は、こだわりに重きを置いた研究開発に役立てられた。ファンドで事業の土台を作り6次産業化へつなぐ取り組み 平成25年には「販路開拓支援事業」として採択され、東京ビッグサイトで開かれている展示会「食品開発展」に出展。ブースの訪問者にはカツオだしとお湯に魚醤を合わせたものを試飲してもらい、アンケートを実施した。おおかた好評を得ることができ、希望者には後日サンプルを送付。ここで得た意見をフィードバックして改良を図り、新たな販路開拓に向け取り組んでいる。 2年の助成期間に、一般向けの「太刀乃醤」と業務用2種(ベースタイプと醸造タイプ)を商品化。後にシリーズ商品としてハモの魚醤を発売した。 平成27年には魚醤専門工場が完成し稼働を始めた。総工費1億4,000万円のうち、6,500万円は県の「6次産業化ネットワーク活動交付金」だ。 株式会社マリン大王代表取締役の吉本氏は魚醤事業についてこう語る。「漁業者の方々から1円でも2円でも高く買い上げることができたら、県の発展にもつながっていくはず。今後は徳島県で獲れるさまざまな水産物を魚醤化していきたいですね」 平成27年度は37トンだった生産予定を3年後には222トンへ引き上げる計画だ。消費者公益財団法人 とくしま産業振興機構株式会社マリン大王徳島県漁業協同組合連合会農林漁業者中小企業等魚醤の開発・製造、B to B商品の販売県内産タチウオ・ハモの供給、内臓の除去、B to C商品の販売連携体徳島県物産観光交流プラザ、都内のアンテナショップなど支 援販 売通 販マリン大王が持つ魚介エキス抽出技術や製造環境を活用し、県漁連により100%徳島産と確認され、アレルゲンである内臓が取り除かれた原材料をマリン大王が加工・熟成する。この徹底した役割分担が、安心・安全の礎になった。今後の事業展開事業成功のポイント既存商品の販路を拡大しつつ、アジやイワシ、エビなど、徳島県で水揚げされるほかの水産物を原材料とした魚醤の開発にも取り組んでいく。また、連携体が製造するハモの魚醤を使った味付け海苔を県漁協が一般向けに開発・販売し人気を集めているが、こうした二次加工品の企画にも力を注いでいきたい。☎088-654-0101公益財団法人 とくしま産業振興機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!昔ながらの魚醤を発酵の技術力でアレルゲンフリーの天然うま味調味料を作り上げられました。天然を大事にされるレシピ(BtoB)に、ぜひ検討頂き使って頂きたいと思います。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)吉よしもとりゅういち本隆一久くめじゅんじ米順二株式会社マリン大王 代表取締役徳島県漁業協同組合連合会 代表理事(左)(右)身幅が指3本分以上のタチウオは魚売場に並ぶ。魚醤の原材料はそれより小さなタチウオだ。マリン大王の第二事業部である石井工場内観。ここで魚介エキスや魚醤の製造が行われる。公益財団法人 とくしま産業振興機構農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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