平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越111さんに声をかけたのです」(松村氏) 「ちょうどいいタイミングでお声がけいただきました」と振り返るのは、ポラリスが経営する御菓子司あん店長の井本氏だ。その当時、ポラリスでは地元産の食材を使った新しいお菓子の開発を構想しており、中でも抹茶はぜひ使いたい食材だったという。ファンドを活用することで温めていたアイデアを実現 抹茶の水まんじゅうとして提案された「ガラシャの涙」は、生クリーム、抹茶あん、葛の3層構造が特徴で、そのためには特殊な包あん機が必要になる。「原料となる抹茶の確保のほかにも、ガラシャの涙の製造には新しい包あん機が必要でした。福喜農園さんのお誘いで、ファンドを活用することになり、新商品開発は一気に具体化しました。また、人の手で試作することも可能でしたが、量産することを考えると、包あん機での試作は必須でした」と、御菓子司あんの工場長である中原氏は強調する。 抹茶あんには香りの良い一番茶が適しているが、価格が高い。そこで、一番茶と比較して低価格の三番茶をブレンドすることで、香りと価格の課題を同時に解決した。香りの強い京丹後茶は、抹茶あんの原料としても適していたのである。抹茶あんの開発成功は、新商品の実現にとどまらず、福餅やきんつばといったあんを使用した既存商品のバリエーションの拡充にも貢献することになった。 一方、福喜農園では茶葉を粉末状にする微細機を導入することで、それまでは外部で加工していた茶葉の自社加工を可能にし、スムーズな原料供給により商品開発をサポートした。輸出も視野に入れて京丹後ブランドを展開 ガラシャの涙は、平成27年に優れた地場産品として「Tango Good Goods(丹後ブランド商品)」に認定。メディアにも取り上げられ、その知名度は高まっていった。半解凍の状態で食べるお菓子のため試食が難しいという課題はあったものの「リピーターはかなり多い」と、井本氏。ポラリスでは、今後も地元産野菜を使用したお菓子の開発を計画しており、その際には農商工連携ファンドを活用したいと話す。 また、道の駅「丹後王国 食のみやこ」にカフェを出店した福喜農園では、茶摘み体験など体験型イベントを通じて、京丹後茶の知名度アップを目指していく計画だ。松村氏は、「将来的には宇治や静岡に並ぶ、お茶の名産地と呼ばれるようになりたいですね」と、語る。京丹後ブランドの確立に向けて、農商工が連携したチャレンジはこれからも続いていく。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)☎075-315-8848公益財団法人 京都産業21お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!このように良いパートナーを見つけることが、事業成功の要因であると思います。今後も連携して新商品を開発し、“京丹後茶”のブランド化をめざしてほしいと思います。茶葉の販路拡大と抹茶味の和菓子の開発という連携体を構成する企業のニーズが一致。新商品の核となる抹茶あんを、既存製品にも応用することで、新たな商品展開と茶葉の需要増を実現した。今後の事業展開事業成功のポイント通信販売などを活用して販売を拡大していくとともに、茶摘みなどの体験型イベントと連携することで京丹後茶のブランド化を目指していく。井いもと本武たけお男株式会社ポラリス 中なかはら原諭さとし株式会社ポラリス 松まつむら村竹たけじ治福喜農園株式会社 左から小売販売店╱ホームページ公益財団法人 京都産業 21 支 援販売・市場開拓株式会社ポラリス福喜農園株式会社農林漁業者中小企業等和菓子開発及び店舗やHPでの販売京丹後産茶葉の生産・供給連携体生クリーム、抹茶あん、葛を一度に包むことができる「包あん機」を導入したことで、開発が飛躍的に進んだ。茶畑での施肥や摘み取りの作業は、機械を導入し可能な限り省力化した。公益財団法人 京都産業21農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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