平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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109関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越慣れないコケ栽培に苦闘する中農商工連携ファンドの存在が光明に スナゴケには「土壌いらずで軽い」「手入れが簡単」「施工しやすい」など多くの長所があることを知る。塩谷氏はコケ緑化に大きな可能性を感じ、事業化に向けた準備に取りかかった。 当初は試行錯誤していたが、栽培のノウハウがないため、うまくいかない。そこで従来からのパートナーであった「富山県新世紀産業機構」に相談したところ、「農商工連携ファンド」の存在を知らされる。「農業者の方と連携をとることで助成が受けられると聞き、光明が差したような気持ちでした。さらに、当社の協力業者の中に、農業をやっておられる方がいることもわかったんです」 それが、白川緑化植物生産組合の藤林久一氏だった。氷見市の農業委員会で会長も務める藤林氏は、遊休農地の活用や雇用の創出にもつながると聞き、スナゴケ栽培への協力を快諾した。緑化事業で環境に貢献するとともに遊休農地の活用と雇用創出を狙う 農商工連携ファンド採択をきっかけに、平成23年度からは助成金を活用した連携事業が本格化する。 白川緑化植物生産組合は中山間地の遊休農地を有効活用して、スナゴケの栽培を行っている。高品質の緑化用スナゴケを栽培するために、排水性の良い傾斜のある畝を作り、さらに防草シートとマルチシートで覆ってその上にスナゴケを生育させる基盤材を敷く。また、遮光ネットの活用により生育期間を短縮するなど安定供給に取り組んでいる。 塩谷建設株式会社は、白川緑化植物生産組合から納品されたスナゴケを、緑化する建築物の形状、材質、性能に応じた緑化ユニットに自社で加工して施工する。さらに施工後の定期的なメンテナンスを含めた一連の事業を行っている。 助成金を活用して商談会や展示会などに積極的に参加することで受注を伸ばし、それと並行する形でスナゴケの栽培面積も拡大してきた。「温暖化対策の環境条例を制定している自治体は関東に多いため、全国でみると、緑化工事の需要の約8割は首都圏に集中しています。しかし、スナゴケの栽培・加工・施工・メンテナンスまでを一貫して行っている企業は当社だけ。今後も、富山県で栽培したコケを活用した環境への貢献とともに、地方創生にもつなげたいです」(塩谷氏)塩谷建設株式会社スナゴケを用いた緑化システムの開発や販売、メンテナンス白川緑化植物生産組合スナゴケの栽培・供給事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)小売販売店商談会・展示会公益財団法人 富山県新世紀産業機構中小企業等連携体農林漁業者販売・販路の拡大☎076-444-5600公益財団法人 富山県新世紀産業機構お問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!中小企業者と農林漁業者の連携も円滑に進み事業化に成功し、大きく発展している。また、建設業の新分野進出の好例にもなっている。今後の事業展開事業成功のポイント展示会などを有効に活用し、首都圏をターゲットとして販路を拡大していく予定。コケ栽培に関しては、まだまだ栽培適地が多くあるため、受注をさらに増やすことで、栽培地の拡大、雇用の創出につなげていきたい。屋上緑化の材料として、あえてスナゴケに着目。コケ栽培のノウハウがなく事業が行き詰まっていたとき、基金から「農商工連携ファンド」の紹介を受け、連携パートナーと出会えた。連携によって、スナゴケの「栽培・加工・施工・メンテナンス」を一貫して行うことができるという独自性を確立できた。塩しおたに谷洋ようへい平塩谷建設株式会社代表取締役社長支 援スナゴケは用途に応じてユニットやマットに加工。敷き並べて固定するだけで緑化できる。氷見市にあるスナゴケ栽培地。栽培面積を拡大していくことで農業の経営改善が期待される。公益財団法人 富山県新世紀産業機構農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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