平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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105関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越ジュースに最も重要と考えていた柑橘類が岐阜には見当たらなかった。ジュースの加工を委託することになる長野県のゴールドパック株式会社に相談を持ちかけたところ、「一年中安定的に収穫できる原料を考えたら、岐阜県産のみにこだわるとジュースは難しいのではないか」との助言をもらい、まずは長野県の産物を取り入れた野菜ジュースを開発しようという案が社内から出た。 ところが、そんな折に県の職員が中田氏のもとに連れてきたのが、上之保のゆず生産者だった。さらに「岐阜県農商工連携ファンド」についてもアドバイスを受けたことで、計画は一気に加速。県内の産物を使って岐阜県を代表するジュースを作るのだから、地域の活性化を図る同ファンドにこれ以上適したプロジェクトはない。前職で助成制度を担当し、そのメリットを熟知していた中田氏は、これまでファンドを利用したことがなかった社内を説き伏せて申請。平成24年に採択された。 採択と同時に、中田氏はJAぎふ鵜沼支店や県内の野菜生産者に協力を仰ぎ、助成金で購入したミキサーをフル稼働させた。さらに、日本中にある野菜ジュースを徹底的に研究。すると、5品目以上の原材料をひとつの県でまかなって作られた野菜ジュースは、その時点で日本のどこにも存在していないことがわかった。つまり、中田氏らの試みが成功すれば、日本初のジュースとなる。これを知って弾みがついた中田氏は、5つの品目を選び出し、採択後、わずか4ヵ月ほどで商品のプロトタイプをいくつか完成させた。“開発”と同等の比重を販売促進にもかける 中田氏が「助成金を使った、ひとつの目玉」と語るのは、消費者を集め、試作品を飲み比べてもらう場を提供したことだ。つまり、原材料が岐阜県のものなら、商品そのものを決めるのも岐阜県民であるべきという考えだ。味はもちろんのこと、パッケージのデザイン選びを消費者に委ねた。こうして誕生したのが、「岐阜まるしぼり野菜ジュース」である。 採択から約7ヵ月後に商品発表会を迎えるという驚異的なスピードを実現したのには、理由がある。助成金の使える期間に、商品開発はもとより、販促活動に力を入れたかったのだ。パンフレットを作ったり、県内のメディアに商品を露出したり、中田氏は「売る」ことにも注力した。その結果、初年度に製造した3万本は半年ほどで完売。その後も販売本数を増やし、県民ですら知らなかった岐阜野菜の認知度も上がっていったのだ。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)☎058-277-1083公益財団法人 岐阜県産業経済振興センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!これまで廃棄していた規格外のにんじんを活用して、野菜ジュースを開発し、販売ルートの確立を図っている。岐阜県内全域の地域資源を生かしながら農家の収入増にもつながる取組でもある。今後のさらなる飛躍に期待したい。廃棄するしかなかった規格外の農作物を有効活用することで、生産者の新たな収入につながった。飛騨、中濃、西濃、東濃、岐阜と、県内の5圏域すべてから特産物を取り入れたことで各エリアからの支援を得ることができた。今後の事業展開事業成功のポイント量産体制を整えるため、原材料を確保し、岐阜県を飛び越え、全国へと販売チャネルを拡大させていきたい。中なかだみつひこ田光彦薫くんだまさゆき田雅之株式会社サラダコスモ商品開発本部研究開発課リーダー各務原市園芸振興会にんじん部会部会長消費者公益財団法人 岐阜県産業経済振興センター株式会社サラダコスモ各務原市園芸振興会にんじん部会農林漁業者中小企業等「岐阜まるしぼり野菜ジュース」研究開発、試飲会実施にんじんの提供、PR連携体ゴールドパック株式会社道の駅、観光施設、スーパー、サービスエリアなど農作物提供製造委託支 援販売ぎふ鵜沼支店、県内の農業生産者JAジュースの原料は、飛騨のりんご、中濃のゆず、西濃のよもぎ、東濃のちこり・スプラウト、岐阜のにんじん。「岐阜まるしぼり野菜ジュース」の農産物生産者の皆さん。公益財団法人 岐阜県産業経済振興センター農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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