平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
103/142

101関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越どを使ったカクテルを製造し、「宇都宮カクテル」として販売することに成功していた。もともと顔見知りだった4者は、「宇都宮カクテル」があるのならば、果物を使ったフルーツビールもできるのではないか、また、ビールであれば果汁の変色を気にする必要がないはずだ、と考えた。こうして、「宇都宮カクテル」の次のヒット作を模索していた横倉本店と荒牧りんご園、そして金田果樹園、栃木マイクロブルワリーの4者による、フルーツビール「とちぎフルーツ プレミアム」の開発が始まった。オール栃木を武器にしたフルーツビールの誕生 搾汁なら県下随一と胸を張る荒牧りんご園の搾汁機を利用し、果物は栃木ブランドである金田果樹園が栽培する完熟苺(とちおとめ)・完熟梨(にっこり)、荒牧りんご園の完熟林檎(ふじ)を使用。3種の風味のビールを作ることになった。開発にあたっては、金田果樹園が梨ジュースの開発時に利用したことがあった「フードバレーとちぎ農商工ファンド」に申請し、採択された。申請理由は資金面だけではなく、ファンドを運営する公益財団法人 栃木県産業振興センターから助言を受けられるだけでなく、販路開拓を目的とした別の支援メニューによる開発後の展開も見据えて、プラスになると考えたからだ。 ビールの試作品の開発は、栃木マイクロブルワリーの横須賀社長が取り組んだ。こだわったのは“どのターゲットに向けて開発するか”だ。「ここ2、3年、各地で地ビールが生まれているが、そのうちのフルーツビールの多くは甘口である。果汁を使っているとはいえ、飲む人が飽きることのない、ビールならではのすっきりとした味わいを目指したかった」という。フルーツビールの素となる麦汁と果汁のブレンドをあらゆる比率で試し、その度に4者で試飲を繰り返した。その回数は12度にも及び、当初の計画を上回るものとなった。その結果、控えめな甘さで風味豊か、苦味もしっかりと味わえるフルーツビールが完成した。 試作と同時に行われていたのがラベルの作成だった。横倉本店は、試作段階の「とちぎフルーツ プレミアム」を商談展示会「スーパーマーケット・トレードショー」へ持ち込み、試飲やアンケート調査を実施。ここで得たデータと、一方で協力を仰いでいた外部デザイナーのアドバイスを基に、ラベルのデザインを完成させた。原料の果物から加工まで、栃木の企業が担った“オール栃木”の、これまでにないフルーツビールが誕生したのだ。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)☎028-670-2608公益財団法人 栃木県産業振興センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!農業者が風味を損なわない搾汁技術を確立し、ビール醸造業者が独自の方法でブレンド、卸業者が市場調査を行うという互いの強みを活かした連携の好例である。濃くて甘いビールはおかわりが進まないものだが、本来のビールに寄せた配合にしてあるため飲み飽きることがなく、他にはないフルーツビールの開発に成功した。また、「フードバレーとちぎ農商工ファンド」をはじめ、県を挙げて栃木県産の農産物を盛り上げようという流れに乗ることができ、多方面でPRすることができた。今後の事業展開事業成功のポイント市場の開拓とともに量産体制の確立、さらなる味の追求、他の栃木県の特産品とのコラボレーションなども視野に入れ、業務用の樽販売も考えていきたい。(右から)横よこくらしょういち倉正一 株式会社横倉本店 代表取締役、金かねだただし田正 金田果樹園 代表、鈴すずき木宏ひろなお尚 株式会社横倉本店 課長、横よこすかさだお須賀貞夫 栃木マイクロブルワリー 代表デザイナー消費者県内店舗、直販、自社ホームページなど商品ラベル指導公益財団法人 栃木県産業振興センター支 援販売栃木マイクロブルワリー荒牧りんご園金田果樹園株式会社横倉本店農林漁業者中小企業等果汁ブレンド工程・ブレンド割合の研究、フルーツビール醸造、瓶詰め完熟りんご栽培、果汁原液製造完熟にっこり梨・苺栽培、果汁原液製造商品ラベル監修、開発中のマーケティング連携体宇都宮ブルワリーにあるビール発酵用に使われるサーマルタンク。日本では製造されていないため、カナダから取り寄せた。平成26年2月に行われた「スーパーマーケット・トレードショー」の様子。横倉本店がビールの試飲とアンケート調査を行った。公益財団法人 栃木県産業振興センター農商工連携型地域中小企業応援ファンド

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 103

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です