平成27年度 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)事業化事例集
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99関東・甲信越北海道・東北北陸・中部近畿中国・四国九州・沖縄関東・甲信越機栽培にはこうした手間が随所でかかるが、安心して食べられるものを作りたいという本田氏の強い思いは揺るがない。そうした本田氏のもとに、榮川酒造の宮森氏からブルーベリーを使った新商品の開発の話がもち込まれたのは、平成24年のことだった。商品の開発時に現れた壁を妥協せずに乗り越え、完成 八木沢農園との連携が決まると、宮森氏はさまざまな情報のなかから自分たちの状況に合うと見定めた「ふくしま農商工連携ファンド」に申請。平成24~26年度分に採択され、1年目は新商品の開発、2年目は主に首都圏への販路拡大、3年目はシリーズ化を視野に入れた派生商品の開発と、計画的に取り組んでいった。もっとも、新商品の開発では早々に壁にぶつかった。当初、梅酒の要領でブルーベリーの実を日本酒に漬け込んだが、梅と違ってなかなか味が出てこない。ようやく味が出てきた頃には実が崩れ、酒はドロドロに濁ってしまった。きれいなブルーベリーの色を出したいと考えていた宮森氏は、次に実をミキサーにかけてジュースを絞る方法を試した。しかし、ブルーベリーは粘度が高く、この方法ではどんなに工夫してもほんのわずかしかジュースが取れない。各所に相談してみたところ、ようやく2つの解決方法にたどり着いた。1つはある酵素を使う方法。もう1つは実を冷凍させてからミキサーにかける方法だ。 この2つの方法を組み合わせて、一定量のジュースを絞り出すことに成功した宮森氏は、福島県産業振興センターと相談の上“生の果実を使う”としていた当初の事業計画を変更。助成金で冷凍庫を2台購入し、本田氏に冷凍工程を託した。その後も、日本酒とのブレンドや甘味と酸味のバランス、色味の調整、ネーミング、パッケージ、価格決定など、ありとあらゆるところで試行錯誤を繰り返した。こうして妥協せず形となった「BLUE BERRY SAKE」は、平成25年の春に発売が開始された。さらなる販路の拡大を目指す「BLUE BERRY SAKE」の特長「BLUE BERRY SAKE」は現在も、榮川酒造が製造と販売、八木沢農園がブルーベリーの生産と実の冷凍工程を担当している。「BLUE BERRY SAKE」の鮮やかで美しい赤色は、着色料などを一切使用していない自然のブルーベリーの色味である。ブルーベリーをそのまま口に含んだようなフルーティな風味も特長だ。榮川酒造では、会津の魂を込めてつくったこの新しいアルコール飲料を広め、より多くの人々に味わってもらうため、販路の拡大などに引き続き尽力している。事業の推進体制(協力業者、販売代理店などの体制)消費者公益財団法人 福島県産業振興センター連携体販売酒屋、スーパー、道の駅などの小売店居酒屋などの飲食店酒問屋一部販売卸販売販売☎024-525-4035公益財団法人 福島県産業振興センターお問合せ※その他の地区については巻末の連絡先一覧をご覧ください。ファンド担当者の視点!日本酒とブルーベリーを組み合わせたリキュールという、新しい発想であった。お互いを信頼しあい、非常に良い連携が出来たことも、成功の要因と思われる。支 援地元で生産された原材料を、よりよいかたちで生かした商品をつくるという気持ちをもって事業に取り組んだこと。また、開発にあたり妥協することなく覚悟をもってそれぞれの仕事に取り組んだことも、成功につながった。事業成功のポイント宮みやもり森優ゆうじ治本ほんだ田勝かつみ美榮川酒造株式会社代表取締役社長八木沢農園園主今後の事業展開この商品を大勢の方に広めて価値を浸透させるとともに、派生商品の開発も進めていこうと計画している。榮川酒造株式会社「BLUE BERRY SAKE」の製造、販売八木沢農園ブルーベリーの生産、冷凍中小企業等農林漁業者八木沢農園のブルーベリー。7~8種類を栽培。潰れ防止のため完熟の少し前に摘果する。ブルーベリーの実をミキサーにかけ、酵素を入れて絞り、ジュースにしている。公益財団法人 福島県産業振興センター農商工連携型地域中小企業応援ファンド

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